ピアノの練習をしていた、まもなく中学生になる子どもが、突然私のところにやってきてシクシクと泣き出しました。
ピアノを練習してたら、どこからか「○○、○○」って女の人の声で私の名前を呼ぶ声が聞こえる・・・
どうやら心霊現象だと思ったらしく、怖くて泣いてしまったようです。
詳しい症状と、思い当たる原因を考えてみたいと思います。
同じ症状で悩んでいる人の役に立てればうれしいです!
ピアノ練習中に幻聴が聞こえる具体的な症状
はじめに、子どもが私に訴えた症状を整理してみましょう。
練習中に自分の名前を呼ぶ声がする
ピアノを練習していると自分の名前を何度も呼ぶような声が聞こえるようです。
「○○、○○、○○・・・」
というように、女の人から連呼されるんだとか・・・
何度も名前を呼ばれるから、怖くて練習できない・・・
同じ症状が現れたら、大人でも怖すぎる!!
症状が現れたのは半月前くらいから
いつから症状が現れたのか聞いてみると、半月前くらいから・・・とのこと。
いつもは私がいないときにピアノを練習しているので、これまで症状が出るときに遭遇しなかったんです。
たまたま私が休みのときに練習をしていたら症状が現れたので、泣きながら私のところへやってきたのでした。
もっと早く気づいてあげられたらよかった・・・
幻聴が聞こえるのは低音を弾いているとき
どこを練習しているときに幻聴が聞こえるのか、楽譜を指さしてもらったところ、低音域で音をたくさん弾いているところでした。
中音域~高音域あたりを弾いているときは、幻聴は聞こえないそうです。
症状が現れるのは自宅のピアノのみ
ちなみに幻聴が現れるのは、自宅のピアノで練習しているときのみ。
普段レッスンを受けている教室のピアノでは、幻聴は聞こえないとのことでした。
うちのピアノが呪われてるのかな・・・
でも私が弾いているときは、誰の声も聞こえないよ・・・
ピアノ練習中に幻聴が聞こえる考えられる原因
ピアノを弾いているときに幻聴が聞こえるのには、なにか原因があるはずです。
私は医者ではないので、あまりはっきりしたことはいえませんが、母親目線で考えられる原因をいくつか挙げてみます。
部屋の広さや音の共鳴によるもの
幻聴が聞こえるのは「自宅のピアノだけ」ということから、自宅のピアノを置いてある部屋の広さや構造の問題が考えられます。
ある音域になったとき(私の子どもの場合は低音域)に幻聴が聞こえるので、音の共鳴により「ビーン」と振動したものが聞こえるのかもしれません。
私は自宅のピアノで幻聴は聞こえないのですが、いろいろな大きさの部屋でピアノを弾く機会があり、ある音域になると「ビーン」「ジリジリ」と部屋の隅のほうから音が聞こえてくることがあります。
もしかすると、この共鳴音が「だれかの話し声」として聞こえたのかもしれませんね。
ストレスによるもの
幻聴が聞こえだした時期を考えてみると、ちょうど小学校卒業間際あたりです。
そして卒業と同時に、仲の良かった子が転校してしまいました。
さらにこのとき、発表会やコンクールを控えていました。
- 中学校生活という新しい環境に対する不安
- 親友との別れ
- 発表会やコンクールに対する不安と緊張
このような要因が複合されて、大きなストレスとなったのかもしれません。
音楽性幻聴という症例と似ている
私の子どものこの症状について、インターネットで調べてみると、どうやら「音楽性幻聴」「幻音楽」と呼ばれるものと似ている気がします。
耳鼻科・精神科領域の研究では「共鳴音」
「金池ク リニ ック」の近 芳久先生、 「米沢市立病院精神科」の三角幸生先生、 伊藤正尚先生の研究文献に、ピアノを弾いているときのみに女の人の声がする という、私の子どもと同じ症例がありました。
以下、引用させていただきます。
ピ ア ノ演 奏 中 のみ に聴 こえ る幻 聴 で 、 ピ ア ノ の
共 鳴 音 な どを歌 声 と と らえ た もの と推 測 され る。幻 音 楽 症 例 の 中 に は純 粋 な 幻聴 の他 に錯聴 (外部 音 や 耳 鳴 を音 楽 と聞 き 間違 え る) 例 が あ る と思 わ れ る。
_pdf (jst.go.jp)幻音楽(音楽性幻覚)症例の検討
このように書かれています。
精神疾患が除外されれば、「共鳴音が声や歌声に聞こえてしまった」ということですね。
ちなみに私もこの子も絶対音感を持っているけど、絶対音感と幻聴には何か関係があるのかな・・・?
珍しい症状なので理解されないことも
音楽性幻聴について調べてわかったことは、この症状を訴える人は多くなく、珍しい症状なので医療機関を訪れても「原因不明」となる場合が多いということです。
本人は怖さで泣いてしまうくらいなのに、原因不明と言われてしまうと腑に落ちませんね。
今後の対応ついて
今のところ子どもの健康状態は良好なので、やはり「音の共鳴」が声となって聞こえているのかな・・・と思います。
ストレスや自律神経の乱れも考えられるので、
・中学校生活が始まったらどうなるか
・発表会やコンクールが終わったらどうなるか
を注意深く見ていこうと思います。
また音楽的なことでは、次のようなことも気をつけて見ていきたいです。
・幻聴が聞こえる曲の傾向(限られた曲なのか、使用されている音域はどの辺りか)
・今のところ自宅以外のピアノでは大丈夫だが、そうでない場合もあるか
しばらく様子を見て、今後も改善されないようなら、医療機関への受診を考えたいと思います。
【2024.3.29追記】
ピアノが弾いているときに聞こえてくる「声」は、もしかしたら「共鳴」によるものかもしれない・・・と子どもに話してみました。
《共鳴しているだけだから怖くない》と分かれば、精神的にもリラックスできるかな・・・と期待!
そうしたら、この予想が当たったようで、子どもも自分のなかで腑に落ちたのか、ピアノ練習中に幻聴は聞こえなくなったそうです。
【2024.4.1追記】
週末に発表会があり、一つの課題を乗り越えました。
幻聴は収まっているようです。
【2024.5.15追記】
コンクールが終わりました。先月の発表会で弾いた曲と違う曲を練習していましたが、幻聴は聴こえず症状は現れませんでした。
以前本人に「共鳴」であることを説明してからは症状が現れていませんので、ひとまず追記はこれで終了したいと思います。
子どもの苦痛に寄り添うことが大切
今回は私の子どもが経験した、ピアノを弾いているときの幻聴について取り上げました。
「そんなの気のせい気のせい!」
と受け流さず、子どもの気持ちに寄り添って丁寧に話を聞いてあげることが大切だと思います。
それによって、原因となるもののヒントがわかるかもしれません。
この記事を書いた人
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はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
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