おんぷカード(音符カード)は、レッスンや家庭学習において音の高さを学ぶための効果的なツールですが、フラッシュカードのように使うだけ…になっていませんか?
この記事は
- おんぷカードの使い方を知りたい
- おんぷカードを導入しようか迷っている
- フラッシュカード以外の使い方を知りたい
- ゲーム感覚で楽しめるアイディアを知りたい
というピアノをはじめとした音楽の習い事の先生、自宅で譜読みの練習に取り入れたい保護者の方におすすめです。
ピアノや他の楽器を始めたばかりの子どもや初心者にとって、視覚的に音楽理論を学べる方法として重宝されているおんぷカードですが、今回は基本的な使い方や学習方法を実際のレッスンで経験したことも交えながら具体的に解説していきます。
おんぷカードを通して、効率的に音楽の基礎を身に付けていきましょう!
楽しく取り組めるアイディアも紹介するよ♪
おんぷカードとは?
おんぷカードは、音楽に関連する情報を視覚的に学べるカード形式の教材のことです。
音楽の基礎を視覚的に学べるカードには次のようなものがあります。
- 音の高さと音名:ド・レ・ミやC・D・Eといった音名
- 和音とコードネーム:ドミソ・シファソやC・G7など
- 音符の種類:全音符、四分音符、八分音符など
- 記号:シャープやフラット、ト音記号・ヘ音記号、強弱、速度など
- リズムの表現:音符の長さ(音価)や拍子記号
これらをすべて含めて「おんぷカード」と呼ぶこともあるのですが、当サイトでは次のように分類しています。
- 音の高さと音名 … おんぷ(音符)カード
- 和音とコードネーム … 和音カード
- 音符の種類とリズムの表現 …リズムカード
これらのカードを使うことで、楽譜を読む基礎力を楽しく身に付けながら音楽を学んでいくことができますよ。
\おんぷ・和音・リズムどれも大切/
おんぷカードを使う3つのメリット
「楽譜を読む」「ドレミを読む」ことは、 知的理解力が発達するにしたがって、徐々にできるようになります。
小学校中学年くらいになるといきなり読むスピードが上がって、びっくりする保護者の方もいます。
しかし、小さいうちから音楽を習っている子どものなかには、
楽譜を見ようとしない
音感・耳の力を頼って探り弾きしてしまう
先生のお手本を見様見真似で覚えてしまう
というケースも一定数あるのではないでしょうか?
楽譜も読めるようになってほしいな
このように譜読みができるようになることへの希望を持つ保護者の方もいらっしゃいますし、今後レッスンしていくなら、読譜力があった方が学ぶ効率も良くなるでしょう。
そこで使用するのが「おんぷカード」です。
おんぷカードをレッスンや家庭学習に導入することのメリットをご紹介します。
楽しく学べる
幼児期はカードを「一つの絵」としてとらえることができるので、感覚的に五線の音を覚えることができます。
キャラクターや挿絵などもあり、視覚的でわかりやすいため、特に子どもにとって親しみやすく、音楽を楽しみながら学べるでしょう。
- 「めくる」という動作が好きな子
- トランプ感覚で楽しみにしてくれる子
このような生徒さんもいます。
指先を動かすことで脳への刺激も!
効率的に基礎力が身に付く
楽譜を読む力、五線の音と実際の音を結びつける力が効率的に身に付けられるため、楽器演奏のスキル向上につながります。
譜読みも早くなる!
家庭でも学習しやすい
おんぷカードは、親や先生がいないときでも子どもが自主的に使える教材です。
自分で出したりしまったりすることができる年齢なら、おもちゃの一つとして家庭に置いてみるのもいいかもしれません。
その際は子ども一人で扱えるように
- 箱・ケースに入っているものを選ぶ
- お片付けしやすいように工夫する
という配慮も忘れずに行いましょう。
マグネットのように小さいパーツもないので、誤飲の危険もありません。
\誤飲の危険がないならマグネットも/
おんぷカードの基本的な使い方
ここから、おんぷカードの基本的な使い方をご紹介します。
導入期におすすめ!
「線(せん)」と「間(かん)」を覚える
導入期の生徒には、まず 五線に書かれる音には
- 「線(せん)」にあるもの
- 線と線の間「間(かん)」にあるもの
を覚えてもらい、区別させることからはじめましょう。
「せん」の音だけを取り出したら、下から順番に上がっていくように並べてみてください。
「せん」の音を順番に並べられるようになったら、次は「かん」の音を取り出して下から順番に並べていきます。
こんなかんじです。
ト音記号の「ド」を教えて、そこから順番に「ドレミファソ」と教えていってもいいのですが、経験上「せん」と「かん」をきちんと理解していないと、うまく並べられない子どもが多いです。
まずはこのように
音には「せん」と「かん」がある
いろいろな高さがある
ということを理解することからはじめた方が、その後のつまづきが少ないでしょう。
ト音記号の「ド」を覚える
「せん」と「かん」が分かったら、ト音記号の「ド」を教えましょう。
ト音記号の「ド」は五線から線が1つ下に落ちたところにあります。
なかには
土星みたい!
という子もいました。
4歳で土星を知っているのか・・・と驚きましたが、たしかに似ていますね!
どらやきにも似てる~
という、かわいらしい子もいましたよ!
端がつぶれていて、まんなかだけ膨らんでいる形が「どらやき」に見えたのかもしれません。
子どもの発想は無限大♪
ト音記号のドレミファソを並べる
ト音記号の「ド」が分かったら、そこから順番に
「せん」「かん」「せん」「かん」
・・・と音を並べてみましょう。
そうすると「ドレミファソ」ができあがります。
ポイントは
楽譜は左から右へ進んでいくため、必ず左から順番に並べる
ということです。
1オクターブのスケールを並べる
さらにその先も並べて、1オクターブのスケールを完成させます。
音を並べたら、ドから順番に指をさして歌っていきましょう。
このとき、ピアノで音をとってあげると音感も一緒に育まれます。音程にも気を付けながら歌いましょう。
真ん中のドから順番に高く並べられるようになったら、真ん中より一つ上のドを左端に置いて、今度はだんだん下がってくるように並べる練習もしてみましょう。
フラッシュカードとして学ぶ
おんぷカードの使い方としてすぐに思い浮かぶのが
フラッシュカードとしての記憶学習
ではないでしょうか?
最初からフラッシュカードのように視覚に働きかけながらドレミを答えてもらう方法も、もちろんOKなのですが、私は
- 「せん」「かん」の理解
- ドレミファソラシドの順番の理解
がきちんとできるようになってから、おんぷカードをフラッシュカードのように使っています。
レッスン曲に合わせてほかの調も並べる
たとえば、レッスンでト長調の曲を練習するようになったら、今度はソから並べる練習をしていきます。
これも簡単にできるようになったら、ソラシドレミファ(#)ソを並べていきましょう。
ヘ音記号も忘れずに
ヘ音記号読みが苦手な子どもはとても多いです。
ト音記号のドレミファソを並べることができたら、ヘ音記号のドレミファソを並べる練習もしましょう。
ドレミファソとソファミレドを並べたら、指を差しながら歌いましょう。
ヘ音記号でも1オクターブのスケールを並べられるかやってみてくださいね。
同じ名前の音を探す
ある程度の音が分かるようになったら、同じ音の名前で高さの異なるカードを探すこともしてみましょう。
慣れてきたらヘ音記号の音も混ぜてやってみるといいでしょう。
\使用したカードはこちら/
楽しく学べるおんぷカードのアイディア
基本的なおんぷカードの使い方以外にも、おんぷカードを使っていろいろなことができます。
そのアイディアをいくつかご紹介しましょう。
クイズ形式で学ぶ
カードを裏返して、表にプリントされた音名を当てるクイズを行います。
- 個人で挑戦:制限時間内にできるだけ多くのカードを正確に答える
- グループで競う:家族や友だち、レッスン仲間などと競争しながら覚える
ゲーム形式で学ぶ
ゲーム感覚で練習すると、子どもたちが集中力を切らさずに楽しむことができます。
- 音符並べゲーム:制限時間内にどこまで音名順にカードを並べられるかチャレンジ
- 早押しゲーム:カードをめくり、最初に正解を答えた人がポイントをゲット
- 同じ音で神経衰弱:裏返したカードをめくって高さの違う音を見つけられたらカードをゲット
音楽と合わせる
おんぷカードで学んだことを、簡単な曲の演奏に応用する方法もおすすめです。
たとえば、カードで作った数個の音(音列)をもとに、レッスンで経験した曲や子ども向けの曲を先生が伴奏し、その音列が出てくるところだけ生徒に演奏してもらいましょう。
【ド・レ・ミ】という音列なら次のような曲があります。
♪チューリップ
♪こぶたぬきつねこ
♪かえるのうた
先生にとっては下調べが必要になるので、しっかりリサーチして準備しておきましょう!
学んだ知識を実践に移すことで、理解が深まります。
ぜひお試しください!
おんぷカード学習時のポイント
ここから、おんぷカードを学んでいくうえでのポイントをいくつかご紹介します。
時間を決めて行う
家庭学習時なら時間を気にしなくてもかまいませんが、レッスンで行うとなると時間を決めて取り組む必要が出てきます。
- 「5分だけ」と決める
- 気持ちの切り替えをさせたい場面で短時間で行う
など鍵盤に触れる時間が短くならないように配慮することも大切です。
継続する
おんぷカードでの学習は、できるだけ毎日継続することが効果的です。
レッスンは毎日できないので、読譜力を強化したい場合は保護者の方に協力してもらうことも必要になります。
導入期のレッスンでは毎回取り組んでもいましょう。
フラッシュカードは少ない数から始める
フラッシュカードとして使用する場合は、少ない数から始めて徐々にカードの数を増やしていきましょう。
最初から全部のカードを使ってしまうと、読むことができずにやる気が下がってしまいます。
- レッスンで経験した音を追加する
- 1オクターブが定着したらその上下の音を増やす
など少しずつステップアップしていけるような配慮も必要です。
たくさんやっても苦手意識が強くなる…
視覚と聴覚を結びつけることを意識する
使い方のところでは、カードを指さしながら正しい音程で歌う方法をご紹介しましたが、子どもがカードの音をすでに鍵盤で経験済みなら弾かせてもOKです。
カードの音符をピアノやキーボードで実際に弾いてみることで、
視覚(カードを見る) と 聴覚(音を聴く)
をより強く結びつけることができるでしょう。
このように取り組んでいくことによって、音符を見るだけでどの音を弾けばよいかを素早く判断できるようになります。
音感も育まれて一石二鳥!
楽しく継続して行うことが定着への近道
おんぷカードの使い方の例をご紹介しました。
おんぷカードは、音楽教育の基礎を楽しく効率的に学ぶための優れたツールです。
カードを使った練習やゲームをしていくことで、読譜力が自然に身につきます。
短時間でも継続して使うことが定着させるうえで大切ですので、ぜひ実践してみてくださいね!
お気に入りのカードで始めよう♪
\カード選びの参考に/
\読譜が早くなる教材はこちら/
この記事を書いた人
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はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
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