中学生の生徒と話をしているときに、ふとリコーダーの話題になり話を進めていくと、どうやらその生徒が通う中学校ではアルトリコーダーを学習していない様子・・・
私は中学生のときにアルトリコーダーを学んだので、現在は習わない学校があることに衝撃的でした!
この記事は
- 中学校でアルトリコーダーを学習しない理由・必修ではない理由を知りたい人
- 中学校でアルトリコーダーを学習する学校、しない学校があることに疑問を持っている人
- 中学校の音楽の先生(または先生を目指す人)
などにおすすめです!
中学の音楽教育でアルトリコーダーが必修ではない理由や背景について詳しく解説していきますよ。
アルトリコーダーの謎に迫る!
衝撃!アルトリコーダーは必修学習ではない
今、音楽の授業でアルトリコーダーやってるでしょ?
え?やってないですよ?
中学生の生徒とこんなやりとりをしました。
昔の中学校の音楽の授業は、
- 合唱コンクール
- アルトリコーダー
- 鑑賞(小フーガト短調!魔王!水の戯れ!・・・など)
この3つ!・・・といっても過言ではないくらい、アルトリコーダーの思い出は私の中では大きな部分を占めています。
大学の友人もみんな自分のアルトリコーダーを持っていたので、 てっきり学習指導要領でアルトリコーダーは必修なのかと思っていました。
ところが、アルトリコーダーを中学の授業で扱うかどうかは義務付けられていないのです!
\バッハがカツラって知ってた?/
アルトリコーダーが中学校で必修ではない理由
中学校でアルトリコーダーが必修ではない理由を解明するには、中学音楽の学習指導要領がどうなっているのかを知る必要があります。
指導要領でアルトリコーダーは義務づけられていない
アルトリコーダーは中学校の学習指導要領では、指導を義務づけられていません。
中学校の学習指導要領(音楽)は次のようになっています。
器楽指導については,指導上の必要に応じて弦楽器,管楽器,打楽器,鍵盤楽器,電子楽器及び世界の諸民族の楽器を適宜用いること。
たしかに、「アルトリコーダーを使わなければいけない」という文言はありませんね。
この文章だけをみると、中学校ではどんな楽器を扱ってもいいことになります。
日本の教育指導要領は、音楽を通して幅広い表現力や感性を養うことを重視しているため、リコーダーに限らずさまざまな楽器や音楽ジャンルに触れることが求められているのです。
したがって、 アルトリコーダーを授業で扱わない中学校があってもおかしいことではありません。
ちなみに私が話を聞いた中学生は、小学校から使っているソプラノリコーダーをそのまま中学校の授業でも使っているとのこと。
高校で使うときに困らないといいけど…
小学校はソプラノリコーダー
ここでリコーダー学習の流れを考えてみましょう!
誰でも経験するのが、小学校で習うソプラノリコーダーですね。
ソプラノという言葉から分かるように、高い音域を出せるリコーダーです。
小学生の手や指にぴったりサイズですが、大人になってから吹こうとすると結構窮屈なかんじに・・・
小学校でソプラノリコーダーが必修となっている理由は、手が小さい小学生でも扱いやすく、基本的な音楽技術を学ぶのに適しているからといわれています。
次の動画の1番左側がソプラノリコーダー、左から2番目がアルトリコーダーです。
教科書にも載ってることも!
\リコーダーってこんなにあるの?/
中学ではアルトリコーダー?
アルトリコーダーはソプラノリコーダーよりも低い音域を出せるリコーダーです。
小学校でソプラノリコーダーを学んだからといって、先述のとおり中学校で必ずしもアルトリコーダーを学習するわけではありません。
中学校では音楽の幅を広げるために、小学校で学んだソプラノリコーダーや鍵盤ハーモニカ、その他の打楽器以外の楽器や音楽の要素に焦点が移ります。
アルトリコーダーはその「さまざまな楽器」の一つとして取り扱われることがあるものの、必修とするほど広く普及していません。
中学ではカリキュラムの制約も受ける
また、中学校では授業時間やカリキュラム全体のバランスが重視されるため、リコーダーに多くの時間を割けないことも、アルトリコーダーを学習しない要因の一つになっているようです。
特にアルトリコーダーは、ソプラノリコーダーに慣れてしまっていると運指が難しいという点も・・・
生徒の学習負担を考えた結果、アルトリコーダーを学習しない学校があるのもうなずけます。
音楽の授業で扱う楽器や内容には限りがあるので、リコーダーの技術をより深く学ぶよりも、幅広い音楽表現に触れる機会が優先されるようですね。
\ソプラノとアルトは運指が違う!/
アルトリコーダーとソプラノリコーダーの違い
ここでアルトリコーダーとソプラノリコーダーの違いについて、少し触れておきましょう。
多くの人が馴染みのあるソプラノリコーダーと、もしかすると一生演奏する機会がないかもしれないアルトリコーダーでは似ているようで異なる部分があります。
大きさと音域
アルトリコーダーは、ソプラノリコーダーよりも大きく、音域も低くなります。
ソプラノリコーダーが明るく高音域の音を奏でるのに対し、アルトリコーダーは落ち着いた低音が特徴。
この音域の差を活かして、合奏ではアルトリコーダーが低音域(ハモリやベースライン)を、ソプラノリコーダーが高音域でメロディーラインを演奏することが多くなります。
運指
アルトリコーダーはF管の移調楽器です。
ソプラノリコーダーはC管なので、同じ運指で演奏するとファ・ソ・ラ・♭シ・ド・レ・ミ・ファとなってしまいます。
そのため、アルトリコーダーでド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドを出そうとすると、ソプラノリコーダーと運指が変わってしまうのです。
\リコーダーって移調楽器なの?/
演奏の難易度
アルトリコーダーはソプラノリコーダーよりも大きいため、指を大きく開かなければいけません。
ときには指の運びが難しく感じられることも・・・
特に手のサイズが小さい生徒にとっては、演奏するのが難しい楽器です。
このような技術的な理由も、中学校でアルトリコーダーが必修とされない理由の一つになっているようです。
なぜアルトリコーダーを使う中学校があるのか
では、学習指導要領では特に楽器の指定がないにもかかわらず、なぜ中学校でアルトリコーダーを使う学校があるのでしょう?
理由はいくつか考えられます。
- 小学校で経験したソプラノリコーダーの素地があるから
- リコーダーは比較的安価で購入できるから
- 中学生は体格がよくなりアルトリコーダーが扱いやすくなるから
やはりソプラノリコーダーで「どうやって音を出すか」ということが分かっているので、その延長で扱いやすいというのが大きな理由ではないでしょうか。
しかし先ほども触れたように、アルトリコーダーとソプラノリコーダーは運指が異なるので、アルトリコーダーになった途端に混乱して吹けなくなってしまう生徒もいるようです。
音楽教育も多様性に合わせて変化している
中学校時代にアルトリコーダーを経験してきた人にとって、アルトリコーダーは必修ではないという事実は衝撃的だったかと思います。
アルトリコーダーを授業で扱わなくても、学習指導要領上ではまったく問題がないのです。
どんな楽器でもいいから、その楽器をきちんと習得して、音楽を表現できればいい
という考えで音楽教育も多様性の時代に合わせて少しずつ変化しているようですね!
和楽器や民族楽器に触れるチャンスがあるかも?
\中学音楽といったら合唱コンクール!/
この記事を書いた人
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はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
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