【牧歌の意味・定義】どんな曲?・演奏する上でのポイントも!

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牧歌(パストラル)の意味・定義・演奏のポイント
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音楽を学んでいると、「なんで同じタイトルの曲がいっぱいあるの?」と疑問に思うことがありますよね。

「牧歌(パストラル)」もその一つで、たくさんの作品が作曲家によって作られています。

では具体的に牧歌とは、一体どのような曲を意味するのでしょう?

この記事は

  • 「牧歌(パストラル)」の意味を知りたい人
  • 今「牧歌」を練習している人、これから練習する人
  • 「牧歌」の曲の作り方について勉強したい人

におすすめです!

牧歌の意味・特徴・雰囲気など内容を理解したうえで演奏すれば、表現力がアップしますよ。

演奏するうえでのポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてくだい。

牧歌を弾いている人は必見!

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牧歌(パストラル)とは田園風ののどかな曲

牧歌は音楽のジャンルの一つで、性格的小品の一つに分類されることもあります。

性格的小品=キャラクターピース

性格的小品とは、ある情景・情感や性格をイメージした作品のことです。

そして、日本では「牧歌」と表記されることが多いですが、楽譜によっては「パストラル」「パストラーレ」と表記されることも。

まずは有名な牧歌の作品や言葉の意味などをみていきましょう!

あなたは知ってる?有名な牧歌

牧歌というと、どの作曲家の曲をイメージしますか?

有名なところでは・・・

ブルグミュラーの「パストラル(牧歌)」
ワーグナーの「ジークフリート牧歌」

などがありますね。

どんな曲かちょっと聴いてみよう♫

このほかにも「牧歌」「パストラル」というタイトルが付いた作品はたくさんあるのですが、タイトルに「牧歌」と入っていない牧歌的な作品(例:田園詩)も数多く作曲されています。

\癒される牧歌は他にもたくさん/

牧歌(パストラル)の定義

クラシック音楽で使われる「牧歌(パストラル)」がどのようなスタイルかをまとめてみましょう。

  • 田園をイメージさせるのどかな楽曲
  • 農民や牧人・羊飼いなどが笛を吹く様子が題材となった楽曲
  • 8分の6拍子または8分の12拍子のゆったりとしたリズムの作品が多い

牧歌は同じ8分の6拍子で作られることが多いタランテラのように、多用されるリズムや音型にこれといった特徴はありませんが、笛の音をイメージさせるような装飾音が使われる作品もあります。

\ タランテラはリズムに特徴がある/

そもそも「牧歌的」とは?

「牧歌的な雰囲気で」
「牧歌的な生活」

など、日常においても「牧歌的」というフレーズが使われることがあります。

そもそも「牧歌的」とは

自然と調和した暮らし
田園や農村部などでの生活を夢見る様子
平和で穏やかな暮らし

などを表現する際に使われるので、こちらもあわせて覚えておくといいですね!

牧歌(パストラル)のテンポや雰囲気の感じ方

牧歌は牧場や田園など、広大な土地・のどかな場所をイメージして作られる楽曲。

ですからその雰囲気を出せるように、ゆったりとした拍子感で演奏するといいですね!

あまり速すぎると、セカセカと忙しそうな農夫・羊飼いをイメージしてしまうので注意が必要です。

どこまでも続く草原や田園
青い空
風のにおい
争いのない平和な生活

・・・などをイメージして演奏すると抒情的で豊かな表現ができるはず。

また羊飼いが鳴らす笛の音を題材にした作品でもあるので、一息で吹けるフレーズの長さをしっかりと感じて、笛を吹いているつもりで演奏すると雰囲気が伝わるでしょう。

ゆったりと気持ちをこめて穏やかに♪

田園詩・田園曲・パストラル・パストラーレは同じ意味

日本では「牧歌」というタイトルが耳なじみがありますが、

田園詩・田園曲

というタイトルがついた作品も、同じジャンルの作品として分類されます。

フランス語で「pastorale」パストラル
イタリア語で「pastorale」パストラーレ
英語で「pastral」パストラール

またこのように国によっても発音がちょっとずつ異なります。

ラテン語のpastor(羊飼い)が語源!

牧歌(パストラル)の由来・起源

続いて、牧歌(パストラル)の由来や起源についてみていきましょう!

ラテン語のpastor(パストル)に由来

「パストラル」はラテン語で「羊飼い」を意味する「pastor」に由来するといわれています。

パストラルポーク、パストラミなどの語源にもなってるよ♪

聖書の一節に

私は良い羊飼い(=イエス・キリスト)である
 良い羊飼いは羊(=世の人々)のために命を捨てる

というものがあり、意訳すると「神様は人々のことを見守っているよ~!」ということなのだとか。

「羊飼いの教会」という名前が付いている教会がたくさんあることからもわかるように、羊飼いとキリスト教は深い関係があったそうです。

キリストとの関係は、また後程触れますのでお楽しみに!

古代では羊飼いがパンパイプで演奏していた

音楽としての「牧歌」は「羊飼いが鳴らす笛の音」が背景にあるといわれていますが、民族楽器の一つでもあるパンパイプ(パンフルート)という笛が使われていました。

上の画像がパンパイプと呼ばれる楽器ですが、見たことがありますか?

フルートのような音色ですが、もっと素朴で空気感のある音色です。

癒しの響き♫

古代には「パストラル・ソング」という形式が確立されていたといわれています。

パストラルはオペラで人気に!

その後、イタリアの詩人が書いた「パストラル詩」に作曲家が旋律をつけたものが人気となり、以降パストラルはオペラでも重要な役割を担うことに。

「パストラル・オペラ」として17世紀ごろに人気を博したといわれています。

イタリア・ドイツの作曲家が現代のスタイルを確立

また同じころ、イタリアやドイツの作曲家によって現在演奏されるような「パストラル」という器楽曲・声楽曲のスタイルが確立されました。

クリスマスとも深い関係が!

先述の通り、実はパストラルはクリスマスと深いかかわりがあります。

もともとクリスマスは「キリストの誕生をお祝いする日」とされていて、農作物などが無事に収穫できたことに感謝する食事会だったといわれています。

みんなで集まって食事をする意味では今も同じ!

先ほどご紹介した聖書の一節にもあるように、羊飼いとキリストには深いかかわりがあり、なおかつ農作物の収穫に感謝する意味もあるため、クリスマスを題材にした曲にも「牧歌(パストラル)」の要素が取り入れられている作品が多く残されています。

牧歌のイメージをしっかり持って演奏しよう!

牧歌(パストラル)の定義や由来についてご紹介しましたが、イメージはわいてきましたか?

  • 羊飼いが鳴らす笛に由来
  • のどかな田園地帯・牧草地をイメージする
  • 8分の6拍子や8分の12拍子のゆったりした雰囲気

自分の中でしっかりとイメージを持って演奏すると、表現力もアップします!

実際に大きな牧場やキレイな田園風景(日本とヨーロッパの田園はまた風景が違いますが・・・)を眺めにいくのもおすすめです。

牧草や小麦が風に揺れる感じ、土地のにおい、空気感・・・などを肌で実感することは、演奏する際の表現にもつながるはず!

演奏に役立ててね♫

\いろいろな牧歌を聴いてみて♪/

拍子&ゆったりなイメージが共通

\拍子は同じでもアップテンポ!/

この記事を書いた人

nabecco
nabecco
はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
牧歌(パストラル)の意味・定義・演奏のポイント

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