学校の音楽の授業といえば、なにを思い出しますか?
「ピアニカ(鍵盤ハーモニカ)」と「リコーダー」を思い出す人が多いでしょうね。
小学校ではソプラノリコーダーをやって、中学校ではアルトリコーダーを勉強したんだけど、指の動きが全然違って挫折しちゃった・・・なんていう声も聞きます。
どうしてソプラノリコーダーとアルトリコーダーでは、運指(指使い)が異なるのでしょうか?
ソプラノリコーダーとアルリコーダーはどうして指使いが違うの?
ソプラノリコーダーとアルトリコーダーをくらべると、ソプラノリコーダーの方が小さいですよね。アルトリコーダーは、ソプラノリコーダーよりも太く長いため、低い音域まで鳴らずことができます。
ソプラノリコーダーとアルトリコーダーでは、鳴らせる音域が異なります。
リコーダーの元はアルト
日本では子どもの手に馴染みやすい、扱いやすいという理由から、小学校で学ぶ楽器はソプラノリコーダーとなっています。
しかし、リコーダーの歴史をたどっていくと、 一番最初にできたといわれているのは「アルトリコーダー」なのです。
実際にミドルC(ピアノでいうまんなかのド)はアルトリコーダーで鳴らすことができますね。ソプラノリコーダーで指を全部おさえたときに出る音もドですが、これはミドルCよりも1オクターブ高いドなのです。
リコーダーは移調楽器である
リコーダーは移調楽器の一つでもあります。
ソプラノリコーダーは、先ほどもお話ししたように、穴を指で全部おさえると「ド」の音が鳴ります。つまり、ソプラノリコーダーはC管ということができます。
では、アルトリコーダーはどうでしょう?
アルトリコーダーの穴を指で全部おさえると「ファ」の音がしますね。
ソプラノリコーダーと同じ運指(指使い)で吹いてしまうと、「ファソラシ♭ドレミファ~」となってしまうワケです。つまり、アルトリコーダーはF管の楽器なのです。
移調楽器だけど楽譜は実音
中学校でアルトリコーダーを使ったら、指番号が全然違って混乱した・・・という人が多いのは、 アルトリコーダーがF管という移調楽器にもかかわらず、楽譜の表記が実音になっていることが大きな要因 だと思います。
移調譜を使えば、すぐに対応できそうですが・・・(絶対音感がある人にとっては、気持ち悪いだけですが・・・)
この辺りはこちらの記事で触れていますよ↓
まとめ
リコーダーは移調楽器の一つで、ソプラノとアルトでは運指が異なったり、鳴らせる音域も異なることが分かりましたね。
アルトリコーダーの指使いが難しいと感じる原因は、F管にもかかわらず移調譜を使わないことにありました。これが教育の現場で生徒たちに大きな混乱を与えていると考えられます。
そして、近頃の中学校ではアルトリコーダーを使わない学校増えてきているのだとか・・・。