【4分33秒】なにも演奏しない「無音の」音楽があるって知ってる?

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演奏する人がなにも演奏しない音楽作品があるのを知っていますか?

「演奏するのに演奏しないの?」なんだか矛盾していますね。

私がこの曲の存在を知ったのは大学生のころ。授業で取り上げられたのがきっかけです。

今回は「4分33秒」なにも演奏しない音楽についてお話ししたいと思います。

 

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ジョン・ケージ作曲「4分33秒」ってどんな音楽?

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pixabay

実際に過去何度かテレビでも取りあげられたこともあり、「4分33秒」という曲の存在を知っている人も多くなってきましたね。

「4分33秒」とはどんな音楽なのでしょうか?

 

「4分33秒」はジョン・ケージの作品


「4分33秒」は、アメリカの作曲家「ジョン・ケージ(1912- 1992)」が作曲しました。

音楽史上では 現代音楽の作曲家 として分類されています。

なんと音楽家作曲家のみならず、キノコ研究家でもあったとか。ちょっと変わった人だったのかもしれませんね。

音楽を使ってさまざまな実験も行っていて、そこで「ある体験」をし世界観が変わったと言われています。

ジョン・ケージは大学の無響室に入ったときに、なんの音もしないはずなのに、「ある音」が鳴っていたために「人間は死ぬまで音とは切り離されることがない」「もしかすると死んでも音は鳴りつづけるのでは?」と思ったそうです。

その音とは「体の音」です。

確かに、心臓の鼓動や食べた物が消化する音など、止めたくても止められませんよね。

音楽は時として「偶然」によって作り出されるものもあるのでは?・・・とジョン・ケージは考えたわけです。

そのような過程で1952年に作られた作品が「4分33秒」です。

 

「4分33秒」を聴いてみよう

実際に「4分33秒」を演奏している動画がありましたのでご覧ください。

こちらはピアノで演奏していますね。
ストップウォッチを使ってしっかりと時間をはかっています。

 

こちらはオーケストラでの演奏です。

ソリストまでいて、チューニングもしたのに、演奏しないという・・・。

 

そうなんです。この作品は「演奏しない音楽」なんです。

音楽なのに「演奏しない」というのは、とても不思議ですよね。

ジョン・ケージがこの作品を作った意図としては、 観客自身が発している音(先ほどお話しした心臓の音など)や、ホール内外の環境音(鳥の泣き声や人々の話し声、咳払いなど)を意識してほしい・・・ ということが挙げられます。

これらはすべて偶然が作り出す音楽で、「偶然性の音楽」とも呼ばれています。

確かにどんな観客がいるか、どんな天気かなどによって聴こえてくる音は変わりますよね。
1回たりとも同じ演奏はできないワケです。

これを「前衛的だ!素晴らしい!」と評価する人もいれば、「ばかげている」と思う人もいたそうですね。

この作品は「無音の音楽」と言われることもありますが、ジョン・ケージの理論を当てはめるなら常にどこかでなにかしらの音は鳴っているはずなので、「無音」とは言えないのでは?・・・と思います。

 

楽譜にはどう書いてるの?

「演奏者が演奏しない音楽」といわれると、気になるのが「楽譜にはどう書いてあるのか」ということではないでしょうか?

「4分33秒」は3つの楽章からできていて、それぞれ次のように書いてあります。

  • 第1楽章 TACET
  • 第2楽章 TACET
  • 第3楽章 TACET

すべての楽章に「TACET」と書かれていますが、これは「タセット」と読みます。

音楽用語なのですが「比較的長いお休み」という意味です。

つまり、演奏するように楽器に向かい、「なにもしない時間(演奏しない時間)」が3楽章合わせて「4分33秒」になればいいのです。

世の中にはすごい音楽があるものですね!

まとめ

ジョン・ケージが作曲した「4分33秒」という作品がどんな作品か分かりましたか?

楽器の前に座って(もしくは楽器を手にして)「4分33秒」の間、演奏をしなければこの曲を演奏したことになります。

この作品を聴くとき、観客は「聴き方」を分かっていないといけませんね。とはいっても、なかなかコンサートのプログラムに「4分33秒」を選ぶようなツワモノはいないと思いますが・・・。

 

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この記事を書いた人

nabecco
nabecco
はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
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