「ポロネーズ」というと、あなたはどの曲をイメージしますか?
「ポロネーズ」はよく耳にするタイトルのひとつですよね!
とくにショパンの「英雄ポロネーズ」は、

聴いたことがある!
という人も多いはず。
でも、そもそもポロネーズとはどんな曲なのでしょう?
この記事は
- 「ポロネーズ」という言葉の意味を知りたい人
- 今「ポロネーズ」を練習している人、これから演奏する予定がある人
- ポロネーズの歴史や曲のスタイルについて学びたい人
におすすめです!
ポロネーズの定義や特徴、背景を理解することで、演奏する際に表現に深みが出てきますよ。
演奏する際のポイントも併せてご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね!



どんな曲かな?
ポロネーズとはポーランドの伝統舞踊から生まれた作品


「ポロネーズ(Polonaise)」は、
ポーランドを起源とする古典的な舞踏音楽
です。
名前の由来は、フランス語で「ポーランド風」を意味する“Polonaise”という言葉。
ポーランドの民族舞踊「ポロナイズ(Polonez)」がもとになっており、貴族の式典などで演奏される荘厳で堂々とした舞曲として発展しました。
性格的小品の一つとして分類され、はっきりした拍節と独特なリズム型が特徴です。
性格的小品=キャラクターピース
テンポは比較的ゆったりしていますが、そのなかに格式と威厳を感じさせる雰囲気が漂っている感じの曲が多くあります。
あなたは知ってる?有名なポロネーズ
ポロネーズというと、どの作曲家の曲をイメージしますか?
有名なところでは・・・
- J.S.バッハ ポロネーズ ト短調(Anh.119)
- ショパン 英雄ポロネーズ(Op.53)
- ショパン 軍隊ポロネーズ(Op.40-1)
などがありますね。



どんな曲か聴いてみよう♪
J.S.バッハ ポロネーズ ト短調(Anh.119)
\ バッハがカツラって知ってた?/


ショパン 英雄ポロネーズ(Op.53)
ショパン 軍隊ポロネーズ(Op.40-1)
とくにショパンは、数多くのポロネーズの名曲を残したことでも知られていますよね!
ちなみにショパンの3大ポロネーズは、次の3曲のこと。
ショパン3大ポロネーズ
- 軍隊ポロネーズ(第3番)
- 英雄ポロネーズ(第6番)
- 幻想ポロネーズ(第7番)
ショパンが作曲したポロネーズは全18曲で、以下の内容となっています。
- 生前出版されたポロネーズ:7曲(3大ポロネーズを含む)
- 死後出版されたポロネーズ:11曲(遺作)
このほかにも「ポロネーズ」というタイトルが付いた作品はたくさんあるのですが、タイトルに「ポロネーズ」と入っていない作品でも、ポロネーズ風のリズムを持つ曲は多くあるんですよ。



力強く誇り高い!
ポロネーズの定義と音楽的特徴
クラシック音楽で使われる「ポロネーズ」がどのようなスタイルかをまとめてみましょう。
ポロネーズの音楽的特徴
- 基本的に4分の3拍子で構成される
- 「付点8分音符+16分音符+2拍分」の特徴的なリズム型が多く使われる
- テンポは中庸~やや遅めで、威厳を持って演奏される
- 楽章や組曲、性格的小品の一部として登場することが多い



【中庸】は【中くらい】という意味♪
とくに、このリズム型はポロネーズを特徴づける重要なポイント!
またメロディーや伴奏も、ハーモニーが重なり合うことで重厚感を出し、荘厳な雰囲気を持っているのも特徴的といえるでしょう。



ターッカ・タン・タン♪のリズムが多いんだね
「ポロネーズ的」とは?
音楽の世界では
「ポロネーズ的なリズムだね」
「ポロネーズ風の様式で作られているね」
などといった言い方が使われることがあります。
「ポロネーズ的」「ポロネーズ風」とは、どういう意味なのでしょう?
「ポロネーズ的・風」とは
- ポーランド的な民族色が感じられる
- 誇り高く、堂々とした雰囲気
- 儀式的・行進的な要素を持っている
このような要素を持っていると、いわゆる「ポロネーズ的」「ポロネーズ風」な曲になります。
ポロネーズはヨーロッパ各国の宮廷でも親しまれていた舞曲ということもあり、格式を感じさせるスタイルとなっています。
ポロネーズのテンポ・雰囲気・表現のポイント


ポロネーズは、決して速いテンポではありません。
先ほどもご紹介したように、ポロネーズのテンポは次のように設定されることが多いです。
テンポは中庸~やや遅め
基本的には落ち着いたテンポで堂々と演奏されることが多く、一歩一歩力強く歩くような拍子感が重要です。
演奏するときのポイント
- 胸を張って一歩一歩力強く歩くようなリズム感
- 厳かで誇り高い雰囲気
- 優雅で貴族的な雰囲気
・・・を意識して演奏すると、よりポロネーズらしさが伝わります。



えらい王様が堂々と歩いてる感じ
また、ショパンのポロネーズに多く見られるように、
愛国心
情熱的な感情
も含まれていることがあるため、そのドラマティックな世界を表現する力も求められます。
重厚だけど、内に秘めた炎がある
そんなイメージで演奏してみてはいかがでしょうか?



威厳を持って演奏しよう♪
ポロネーズの由来・起源


続いて、ポロネーズの由来や起源についてみていきましょう!
フランス語&ポーランド語が名前の由来
「ポロネーズ(Polonaise)」という言葉は、フランス語で「ポーランドの」「ポーランド風の」という意味を持っているものが由来しているといわれています。
また、ポーランド語では「ポロネズ(Polonez)」というポーランドの民族舞踊が起源とされています。
このようにポロネーズは、もともとはポーランドの伝統的な舞踏「ポロネズ」がフランス語化されたものです。
16世紀ごろの貴族の舞踏が起源
ポーランドの伝統的な舞踏でもある「Polonez(ポロネズ)」は、16世紀頃にポーランドの貴族階級の間で行われていた舞踏がその起源といわれています。
ポーランド中部で発展した農民の舞踏が貴族階級に取り入れられ、やがて国家的な行事や式典などで欠かせない舞曲へと進化。
ポロネーズは
- 国家的行事での音楽
- 王族の入場曲
としても演奏されるようになります。
18世紀ごろから宮廷音楽としてヨーロッパ中で流行が広まり、そのリズムや様式は、バッハやモーツァルト、ベートーヴェンなどの作曲家によって芸術的な作品としてより発展していったそうです。
このころには、クラシック音楽の世界でもしっかりと一つの「形式」として定着しました。
入場曲として使用されるポロネーズ
舞踏会で使用されるポロネーズ
このように実際に映像で見ると、堂々と力強く行進するイメージがつかめますね!
19世紀ショパンによって有名に!


19世紀になるとポロネーズは、フレデリック・ショパンによって「ピアノのための芸術作品」として有名になりました。
ショパンのポロネーズは、単なる舞曲を超えて
- 祖国への愛
- 誇り
- 抵抗の精神
などを込めた音楽として、世界中の人々に愛されていることは言うまでもありませんよね!



誇り・格式を表現しよう♪
\ ショパンのポロネーズ弾いてみてね♪/
ポロネーズのイメージをしっかり持って演奏しよう!


ここまでポロネーズの意味や定義、由来について解説してきました。
ポロネーズのイメージ、なんとなくつかめたでしょうか?
最後にもう一度、ポロネーズのポイントをおさらいしておきましょう!
- ポーランドの伝統舞踊が起源の舞曲
- 貴族の間で人気となった舞曲
- 3拍子で、特有のリズム型を持つ
- 儀式的・格式高い・力強い雰囲気を持つ
- 落ち着いたテンポと重厚な雰囲気を持つ
楽譜のとおりに演奏するだけでなく、ポロネーズという舞曲の背景にある歴史や精神的な部分まで意識すると、より説得力のある表現になるでしょう。
ポロネーズを演奏するときは、一つひとつの音に気持ちを込めて、誇り高く、優雅に表現してみてくださいね!
\ 演奏を深める!定義&ポイントシリーズ/










この記事を書いた人


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はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
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