ピアノを教える仕事をしていると、よく「○○ちゃんはお母さんにピアノを教えてもらえるからいいね~!習いに行かなくていいもんね」と言われます。
でも私は自分の子どもの練習は見ますが、ピアノのレッスンはしていません。
ピアノ講師である母が自分の子どもにピアノを教えるというシチュエーションは、音楽を学ぶ家庭ではよく見られまし、周りからすると理想的に思えるかもしれませんね。
しかし、この状況には意外なデメリットや弊害が潜んでいるのです。
この記事は
- ピアノ講師の母親が自分の子どもにピアノを教えることのリスクを知りたい人
- 自分の子どもに教えていてイライラしてしまうピアノの先生
- 自分の子どもをほかの先生に習わせた方がいいのか悩んでいるピアノの先生
におすすめです!
ピアノ講師である母が自分の子どもに教えるときに起こりうる問題点や解決策について、現役ピアノ講師が自分の経験を交えてご紹介します。
一見いいようで悪いことも!
ピアノ講師である私が自分の子に教えない5つの理由
自分の子どもにピアノ講師である母親が自分で教えれば、
- お月謝がかからない
- レッスン会場まで送迎しなくて済む
- 自分の子どもの成長をいつも見ていられる
このような理由から「いいことがいっぱい!」と思うかもしれません。
私は子どもが幼稚園に入るまでは、遊びの一つとして歌を歌ったりリズム遊びをしたりしていましたが、鍵盤を弾ける年齢になってからは、別の先生にお願いすることにしました。
なぜかというと、 自分で自分の子どもに教えることにデメリットを感じたから です。
私が自分で教えない理由をいくつかご紹介しましょう。
感情的になってしまい衝突が起こる
断言すると、私の場合は「感情的になってしまう」というのが一番の理由です。
習いに来ている生徒さんに対しては、よほど練習してこない限りは感情的になることはないのですが、自分の子どもに対しては沸点が低く設定されているようで・・・
ブレスができなかったり、言われた通りにできなかったり、少しでも気が散りだしたりすると「なんでできないの!?」というふうになってしまいます。
生徒の場合はできるだけ褒められる部分を探そうと頑張ってレッスンを行うのですが、自分の子にはそれができないのです。
もちろん日常生活の中で「できたこと」についてはなるべく褒めるように心がけていますが、ピアノに関しては厳しくなってしまうので、常にイライラなことも・・・
そして、そこに子どもが反発すると、家庭全体の雰囲気にも悪影響を及ぼす可能性があるのでご注意ください。
我が子にはアンガーマネジメントができない!
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自宅だと練習時間のメリハリがつかない
自宅でのピアノ指導は、時間の制約が少ないというメリットがありますが、いつも過ごしている場所なので「遊び」なのか「レッスン」なのかその線引きが曖昧になってしまいがち。
「〇時からはピアノの時間ね」と話しても、30分集中できずに他の遊びに興味がいってしまうこともありますよね。
未就学児ならなおさらでしょう。
学校やほかの習い事との兼ね合いで、時間の管理が曖昧になってしまい、だらだら練習したり、集中力が欠けたりすることもあります。
さらに、母親が常にそばにいることで、子どもは「練習しなければならない」というプレッシャーを強く感じてしまうことも・・・
結果としてピアノを嫌いになってしまうリスクも考えられます。
甘やかしてしまう
自分の子どもだとついつい甘やかしてしまいますよね。
感情的になることと矛盾してしまうのですが、自分の予定が立て込んでいると、ついつい
- 今日じゃなくてもいいかな?
- まだできなくても仕方ないかな?
- お友だちと遊ぶことも必要だよね!
などと思って、教えることをサボってしまうことがあります。
自分の子どもは、月謝を払って習いに来ている生徒とくらべると「教えることに責任を感じていない」のかもしれませんね。
子どもの「先生」である前に「母」でいたい
これも私が自分の子どもにピアノを教えない大きな理由の一つかもしれません。
「レッスンする時だけ、お母さんじゃなくて【先生】って呼ぶんだよ」というのに、とても抵抗がありました。
子どもにとっては、つねに「お母さん・ママ」でいたい
もちろん日常生活に必要なことや、礼儀作法・しつけなどは親として責任を持って子どもに教えなければいけません。
競争意識が薄くなる
ヤマハなどで行っているグループレッスンでは、同年代の生徒たちが集まることで、競争や刺激を受けながら成長していくことができます。
しかし、母親が自宅でピアノを教える場合、子どもは他の子どもとの比較や競争意識を持つ機会が減ってしうことも・・・
ほかの生徒の演奏を聴く機会があると、
「もっと頑張らなきゃ!」
「あんな演奏をしてみたい!」
というように切磋琢磨して伸びていけるのですが、自宅にばかり閉じこもって教えていると、子ども自身が客観的に自分の成長を判断することが難しくなってしまいます。
この点は自分の生徒と弾きあい会をしたり、発表会・コンクールに参加させることで解決できることがあるかもしれませんね!
さらにほかの先生と比べると、母親は自分の子どもの長所も短所もよく理解しているため、無意識に短所にばかり目を向けてしまいがちです。
短所ばかりを注意してしまうため、バランスの取れたフィードバックが得られず、子どもが自分の進歩に気づかないままモチベーションを失うこともあるため、細心の注意をしなければいけません。
自分の子どもの成長にはほかの先生の指導が必要!
ここまでピアノ講師である私が自分の子どもに教えない理由をご紹介してきましたが、親子の衝突を避けながら子どもの音楽的成長をより確実なものにするには、やはりほかの先生の力が必要だと考えます。
自分で教えるということは、自分が持っている知識や技術しか教えることができません。
そこには限界があります。
教え方にはいくつものアプローチがありますし、私が気にしていないようなことをほかの先生なら気づいて指摘してくれることもあるでしょう。
ほかの先生から違った角度で見ていただくことによって、子どもはもちろん、私も勉強になりさらに成長するきっかけになると思っています。
\ ピアノ講師でなくても我が子に教えるのは危険/
家庭・親子の平和のために
私が自分で自分の子どもにピアノを教えない理由をいくつかご紹介してきましたが、もちろん世の中には、ピアノ講師をされているお母さんが自分で自分の子どもに教えているご家庭もたくさんあるはず。
ですから一概に「自分の子どもに教えるのがいけないこと」とは言い切れません。
私の場合は、 自分で教えることよりほかの先生にお願いすることのほうがメリットがたくさんあると思いましたし、なによりも家庭や親子の平和のために、あまり親が口出ししないほうがいいのではないかと感じています。
私の先輩も「あれこれ口出ししないで、先生にお願いしていた方がお互い(母と子)のためよ」とよく言っていました。
よい親子関係がキープできますように♫
\我が子について書いてます/
この記事を書いた人
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はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
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