正しい姿勢でピアノに座ることは、音の出し方にも影響します。
姿勢だけでなく、椅子の高さや椅子を置く位置なども重要なポイントですよ。
現役ピアノ講師が、正しい姿勢で弾かないことのリスクやピアノを弾く前にチェックしてほしい5つのポイントをわかりやすく解説していきます。

参考にしてね♪
正しい姿勢で弾かないことで起こりうるリスク


あなたはピアノの練習をするとき、なんとなくピアノに座って、そのまま弾き始めていませんか?
でも、つい夢中になってくると前のめりになったり、肩に力が入ったりして、姿勢って崩れがちですよね。
でも実は、間違った姿勢で弾き続けると、体にも演奏にもいろんな悪影響が出てくるため気を付けなくてはいけません。
ピアノを弾くときに正しい姿勢を意識しないと、どんなリスクがあるのでしょうか?
体が痛くなる
まず一番心配なのが、体への負担!
姿勢が悪いと、肩や首、腰や手首などに変な力がかかってしまいます。
たとえば、前かがみのまま長時間弾いていると、腰や背中がどんどん痛くなってくる・・・。
指や手首の形に変なクセがつくと、腱鞘炎になってしまい練習できない!・・・なんてことが起こるかもしれません。
ピアノは見た目以上に全身を使うので、体のバランスはとても大事です。



腕が痛いのは腱鞘炎だったの?
思うような表現ができない
姿勢が崩れていると、腕や指の動きがスムーズにできなくなって、音が硬くなったり、コントロールが効きにくくなったりします。
たとえば、力を抜いて軽やかに弾きたいのに、変に力が入ってしまってぎこちない演奏になってしまう・・・なんてことも。
ピアノの音は、姿勢や体の使い方でずいぶん変わるものなのです。



力が入るとうまく弾けないよ!
すぐ疲れて練習が続かない
姿勢が悪いと、体が安定しないので、必要以上に力んでしまいます。
そのせいで、短時間の練習でもどっと疲れたり、集中力が切れたりすることも。
せっかく練習しているのに、体がつらくてやめたくなっちゃうなんて、もったいないですよね!
ラクな姿勢を身につければ、もっと気持ちよく、長くピアノを楽しめるようになりますよ。
クセになると直すのが大変!
姿勢のクセって、気づかないうちに身についてしまうんですよね。
そして一度習慣になってしまうと、あとから直すのがけっこう大変!
特に子どものうちに覚えた姿勢は、大人になってもずっと影響してしまうことも。
だからこそ、最初から良い姿勢を意識するのがとても大切です。



直すには同じ年月がかかるという説も!
ピアノを弾く前にチェックしたい【姿勢】5つのポイント


正しい姿勢でピアノを弾くことの大切さ、お分かりいただけたでしょうか?
ここから、ピアノを弾く前に気をつけてほしい5つのポイントをご紹介します。
練習する前に確認してみましょう!
①椅子の高さ


椅子の高さはとても重要です。
高さの目安は、
椅子に座って鍵盤に手を載せたときに鍵盤の位置よりも肘が下がらない高さ
です。
鍵盤の位置よりも肘が下にあると、腕の重みが手首に力が入ってしまうことに・・・。
身体からの腕へかかっている重みが手首でロックされてしまい、鍵盤まで届けることができません。
そうなると、重さを載せて弾くフォルテ(f)が表現しにくくなりますし、音も汚くなってしまいます。
小さいお子さんに多いのが、手首に力が入ってしうことで鍵盤の崖っぷち(手前のほう)を弾いてしまうケース。
崖っぷちだけで演奏すると、
- スラーが付けられない
- 黒鍵を弾く際に指がスムーズに動かせない
- 指の運びがぎこちない
- 力任せの演奏になってしまう
・・・という悪循環を招きます。
椅子の高さと肘の位置を確認してから、練習してくださいね!
②椅子を置く場所


椅子が鍵盤に近い場所に置かれていることで、窮屈そうに縮こまって弾いている場面を見かけることがあります。
ある程度、腕を自由に動かせないと豊かな表現はできません。
反対に椅子とピアノの位置が離れすぎると、腕をピンと伸ばした状態になってしまいます。
この状態も、体・腕の重さを鍵盤に伝えることができません。
椅子を置く場所は、
椅子に座って手を鍵盤にのせたときに体より肘が少し前に来る位置
にしましょう。
肘が体と同じラインにくると、見た目がロボットみたいなガクガクした演奏になってしまいますよ!
③足はきちんと床(足台)につける
「足が床に届かないから・・・」といって、つま先だけ床につけていたり、足がブラブラの状態で座っていたりしませんか?
たまに左右の足首を組んで弾いている子も見かけますが、NGです!
足は身体を支える大事な部位です。
身体の力を指先まで伝えるには、足の踏ん張りがとても大事!
足できちんと踏ん張っていないとタッチも弱々しくなってしまいます。
もし足が床につかないような場合は、 足台やアシストスツールを使ってみてください。
子どもはすぐに大きくなるから、そんなもの買っても・・・
と思うかもしれませんが、コンクールに出場するような場合は、必要になるでしょう。
コンクールに出なくても、きちんと踏ん張れているかということは大事ですので、古雑誌を重ねたり、段ボールにものを詰めて踏ん張れるようにしてあげてくださいね。
低学年でペダルを使うような曲を演奏するなら、ペダル付きの足台を準備しましょう。
アシストペダルはペダル付き足台よりもペダルに力を伝えやすいので、コンクールではアシストペダルを使用しているお子さんをよく見かけます。
\足のばしてペダル踏んでない?/


④腰をのばして肩の力を抜く
プロの演奏家になると猫背で演奏している人も見かけますが(男の人に多い気がします)、 子どものうちは腰を伸ばして椅子に座り、猫背になりすぎないように注意しましょう。
腰で上半身をしっかり支えてくださいね!
また肩に力が入って、肩の位置が高くなってしまう生徒もいます。
この場合も無駄な力が入っていることになり、腕の重さを自由にコントロールできないので、演奏する前にフーっと息を吐き、リラックスした状態を作りましょう。
\肩こり・頭痛の原因になることも/


⑤指の形と手首の高さ


指の形については、いろいろな指導の仕方があるようです。
- たまごのように丸く
- グーを作って少し開いてみて
- オバケの手だよ
などなど。
・・・が、今は指を丸くするのは「古い」という考えもあるようですよ?
\丸くするのは古いの!?/


そして手首の高さも大事!
一番自然なのは、
「ピアノの前に立ち手を鍵盤に準備する→そのまま椅子に座る」
このときの手首の高さがベストです。
手首が下がらないように気をつけましょう。
手首が下がると演奏が重くなりますし、早いパッセージで指が回らなくなってしまいます。
\原因は1つじゃない!/


5つのポイントを確認してから練習しよう♪


ピアノを弾くときは、普段の練習から意識して姿勢を正すことが大事です。
最後にピアノを弾くときの姿勢・5つのポイントをまとめます。
- 椅子は鍵盤の位置よりも肘が下がらない高さ
- 椅子は手を鍵盤にのせたときに体より肘が少し前に来る位置
- 足はきちんと床(足台)につける
- 腰をのばして座り肩の力を抜く
- 指の形と手首の高さに気を付ける
練習前にしっかりチェックしていても、練習しているとだんだん姿勢も崩れがちになるので、所々で姿勢を戻すように意識してみてくださいね!



意識するだけで音色にも変化が♪
\なんでか知ってる?/


この記事を書いた人


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はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
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