「発表会に出たくない」という生徒。どうして出たくないのか理由が分かったら、あとはどうにかして発表会のステージに立たせてあげるべく、先生がいくつか手を打ってあげるしかありません。(もちろん保護者のご協力も必要ですが)
今回は、その対処法をいくつかご紹介していきます。
「発表会に出たくない」と言われたらすべきこと
もし生徒から「発表会に出たくない」と言われたら、まず最初にどうして出たくないのか理由をはっきりさせなくてはいけませんね。理由が分かっていたほうが、その後どうすべきか道筋を立てやすいです。
出たくない理由を聞きだす方法はこちらの記事でお話ししていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
いくつかの対処法を考えてみよう
さあ、生徒が発表会に出たくない理由が分かったら、それに合わせていくつかの対処法を試してみましょう!
初めての発表会で不安・人前で弾くのが苦手な生徒
特に発表会に初めて参加する生徒さんは、様子が分からないので「ステージで演奏をする」「人前で演奏をする」ということにドキドキしてしまって「やっぱり発表会に出たくない!」となってしまうことがあります。
小さいうちから発表会に出続けている子は、それが当たり前となっているので、あまり動じませんが、小学校中学年~高学年くらいで初めて発表会に出るという子に多い傾向がある気がします。
また何回か発表会に出ている生徒さんの中には「ドキドキするから嫌だ」という子もでてきます。
そんな生徒には、次のような話をします。
- 失敗してもいいから最後まであきらめないで演奏する
- 演奏するのは数十秒~数分だけ!終わったら何したいか楽しいことを考えよう!
- 誰でもドキドキするし怖くなることもある!先生だって緊張するよ!
- いままで頑張ってきた姿をお家の人に見てもらおう!
- 1人が怖かったら先生が隣に座って聴いてるから大丈夫!
「失敗を恐れて委縮してしまう子」って結構いるんですよね。コンクールとかだとミスが採点に影響することも考えられますが、 発表会なのでとにかくミスを気にせず最後まで弾ききることを目標に掲げて挙げるといいのではないでしょうか?
また、私は昔からテストとかコンクールとか気が重くなるイベントがあると、終わったら何をしようか、何を食べようか・・・など、そんなことばかり考えていました。
あと●日でパフェが食べられる~!!
といったふうに(笑)
なので、 ほんの数十秒~数分ステージに立てば、あとは自由の身であることを強調します。
あとは、どうしてもドキドキしてしまう子。これはしょうがないです。大人だって人前で演奏したり話をしたりするのはドキドキしますから、ドキドキするなって方が無理ですよね。でも実際に演奏が始まってしまうと、意外とドキドキしていないもの。どちらかというと、本番前のほうがドキドキしてますよね。
人生で何回もドキドキする経験をしていた方が、受験や大事なプレゼンなどへも冷静に臨めるのではないかと思います。
「発表会=ドキドキする練習」くらいに考えておくといいかも。 「今ドキドキする経験をたくさんしておくと、将来大事なときにドキドキしなくなったり、ドキドキをコントロールして楽しめるようになるよ」という話もすることがあります。
あと大事なのは 「親への感謝」 ですね。小さい子どもに話しても「?」かもしれませんが、発表会って1年間(教室によって年に何回かするところもあるかもしれませんが)その子がどれだけ頑張って練習してきたかを保護者の方に見て、聴いていただく場でもあります。
「周りの子がうまいから弾きたくない」という子がいますが、「人と比較するのではなく、自分自身がその前の発表会からどのくらい成長したかを見てもらうんだよ」ということをきちんと生徒さんに話しておきたい ですね。特にちょっと大きくなってからピアノをはじめた子に多い印象を受けます。
曲が仕上がってないから不安な生徒
これは生徒自身が自業自得のような気もしますが、発表会までになんとか曲を仕上げられる見とおしを立ててあげないといけませんよね。
発表会までどのくらいの期間が残されているかによって、できることも変わってきますが・・・
もし発表会まで1ヶ月を切っても、止まってでもゆっくりでもいいから最後まで両手で弾ける状態になっていなければ、曲をカットしたり苦手にしている部分を簡単にしてあげたり、とにかく少しでも前に踏み出せるようにしてあげます。本来ならその子の能力に合った曲を選曲してあげるのが先生の役目なんですけどね。こちらの意志だけで曲を決められない場合もありますよね・・・。
あとは、生徒と保護者と「1日●分練習する」「苦手なところだけ1日●回練習する」「ご飯を食べる前にお母さんに必ず聴いてもらう」など目標を立てて実行してもらいます。
子ども任せにしている保護者もいらっしゃるので、まずは現時点で「ここがうまくできず立ち止まってしまっている」ということを理解してもらわないといけないですよね。演奏を聴いて初めて「これはヤバい!」と思われる保護者もいたりします。
とにかくあとは練習あるのみ!もし発表会まで期間が少ない場合は、保護者の方と相談してレッスン回数を増やして、生徒(と先生の)の不安を解消するのも手です。
親に怒られたから出たくない・「発表会に出なくていい」と言われた
このケースが一番難しいです・・・。保護者と生徒の関係に習い事の講師が下手に口出しできません。特にこのご時世、なにが起こるか分かりませんよね。
とはいっても、せっかくの発表会ですから、なんとか生徒にはステージで発表してほしいものです。
生徒には、
「先生ともう一回特訓してみよう!できるようになったらきっとお母さんびっくりするよ」
「上手く弾けるようにするために、先生と練習方法考えてお家でやってみよう」
という感じに声をかけます。
保護者の方には、発表会に参加する意味・意義をしっかり説明します。この時に「〇〇ちゃん、お母さんから怒られたから発表会に出たくないって言ってて・・・」なんて絶対に言わないようにしましょうね!お母さん余計に腹を立ててしまいますから。
- 1年間の頑張った姿を見て欲しい
- 去年はスラーが苦手だったけど今年はうまくできるようになったんです
- 毎年ステージに立って演奏するだけでも立派なことです
- ミスしても最後まで弾けたらたくさん褒めてください
こんな感じで保護者の方に伝えてみてはいかがでしょう? 保護者の方には、その子が頑張ってきたことをできるだけたくさん伝えるといいと思います。
普段から保護者の方と良好な関係を築けていればいいのですが、今はいろいろな考えの保護者がいらっしゃいますからその人に合わせて対応を考えていかないといけませんね。
生徒の気持ちに寄り添って・・・
「発表会に出たくない」と言う生徒への対処法をいくつか挙げてみました。どれにせよ、大事なのは生徒の気持ちに寄り添ってあげること。でもそこから気持ちを前向きにさせてあげなければいけません。
生徒としっかり向き合って、一緒にステージに立てるといいですね!
この記事を書いた人
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はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
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