ピアノを教えていると「生徒の反応が悪い」「思うように弾けるようにならない」ということはたくさんあると思います。
質問をして返ってこないと「この子はやる気があるのかな?」と疑ってしまうこともありますよね。
この記事は
- 反応が悪い生徒をなんとかしたい
- 生徒ともっとコミュニケーションを取りたい
- 反応が薄い原因を知りたい
- やる気を引き出す指導を知りたい
- 今の指導がうまくいっていない気がする
という悩みを持つ、ピアノをはじめとした楽器の先生におすすめです!
これまでの指導経験をもとに、なぜ生徒の反応が悪いのか考えられる理由と、実際にそのような生徒と上手にコミュニケーションを取れるようになった指導方法をご紹介します。
もしかすると、ちょっとした指導のコツをつかむと生徒の反応が変わったり、上手に弾けるようになったりするかもしれませんよ?

反応が悪い生徒っているよね~
生徒の反応が悪い・コミュニケーションが取れない理由


レッスンをしていて、生徒に質問を投げかけても



わからない
と言われたり、無反応で沈黙が続いたりした経験はありませんか?
生徒が何を考えているのか分からず、コミュニケーションが取れないと、レッスンがうまく機能せず困ってしまいますよね。
まずは、
- なぜ生徒の反応が悪いのか
- 心の中が見えずコミュニケーションが取れないのか
について、いくつか考えられる原因を挙げてみましょう。
まだ慣れていない
習い始めてまもない生徒の場合は、先生や指導環境にまだ慣れていないだけということもあります。
この場合は時間の経過とともに、生徒もレッスンに慣れていくので焦らずに信頼関係を構築していきましょう。
そもそもの個性・性格
みんながみんな、しっかり受け答えできたり反応できたりするわけではありません。
人と話すのがそもそも苦手な生徒も、もちろんいます!
不安なときは、ぜひ保護者の方に普段の様子などを聞いてみましょう。
そういう性格だと分かれば、割り切ってレッスンできますね。
思春期に入った
これまで受け答えがしっかりできてた生徒が、
- 突然よそよそしくなる
- 敬語や丁寧語での受け答えに変わる
- 反応が悪くなる
- 必要以上にコミュニケーションを取らなくなる
このようになったとき、原因の一つに、生徒が思春期に入ったことが考えられます。
実際にレッスンしていると、女の子の場合は小学3・4年生のあたりからこのような傾向が見られます。
男の子はもう少し遅く、小学校高学年のあたりから増えてくる印象が強いですね。
昔よりも思春期にさしかかる時期が早くなっているような感触を受けますが、生徒によってその時期はマチマチですし、「思春期なんてあったの?」というくらい幼少期からまったく変わらずに高校生くらいまで育つ子も見てきました。
成長過程の一つなので、時が経つと「反応もとどおり」という場合もありますよ。
コンディションが悪い・ストレスがある
生徒が学校や部活、そのほかの習い事などで疲れている場合、集中力が続かないことがあります。
なかには本当に体調が悪く、おでこを触ってみたら実は熱があった!…ということも。
特にレッスンは平日なら夕方から行われることが多いため、日中の疲労やストレスが原因で反応が悪くなることも考えられます。
また月曜日と金曜日、さらに土日のレッスンも要注意です!
- 月曜日…週末の疲れが取れずエンジンがかからない
- 金曜日…週の最後で疲れがたまっている
- 土曜日・日曜日…レッスン前にお出かけ・イベント参加などがあり集中できない
身体的な疲労や精神的なストレスが溜まっていると、集中力がなくなり、反応が鈍くなってしまいがちです。



金曜はボーっとしちゃうな…
プレッシャーを感じている
生徒が
「間違ってはいけない」
「先生に怒られるかもしれない」
と感じていると、表情が硬くなり、反応も薄くなってしまいます。
特に小さな子どもや習い始めの時期は、過度なプレッシャーがピアノ嫌いの原因にもなりかねませんのでご注意くださいね。
レッスンに興味を失っている
毎回同じような練習ばかり続けていると、生徒が退屈してしまうので、指導のルーティンは必要ですが飽きさせない工夫も大切です。
学校の授業でつまらないものは、時間が経過するのが長いと感じるのと同じように、楽しさや達成感を感じられないレッスンは、生徒のやる気を削ぐ原因となるため、対策を考えなければいけません。
また、生徒自身がピアノを学ぶ目的を見失っている場合も、会話や反応が少なくなることがあります。
たとえば、
親に言われて仕方なく通っている
「やらされている感」が強い
という場合は、生徒の意欲が薄いことが原因となります。
\親のエゴになっている場合も/


生徒の反応&やる気を引き出すレッスンアプローチ


ここから、反応が悪い生徒と上手にコミュニケーションを取り、生徒のやる気を引き出すために効果的な指導法 をいくつかご紹介します。
○か×かで答えられる質問をする


質問しても
「わからない」
「さぁ?」
「・・・・・・・(沈黙)」
このような反応の生徒に、アバウトな質問を投げかけるのは要注意です。
そのような生徒に新しい曲を聴かせて「これはどんな感じの曲だった?」とアバウトな質問をしたとします。
生徒は答えられるでしょうか?
ハキハキとお話しできて聡明な子どもなら
「元気な曲だった」
「弾んでいるところがたくさんあった」
など、曲の特徴をつかんで自分の言葉で表現することができるかもしれませんね。
しかし反応が薄い生徒は、なかなか自分の気持ちを言葉に出してくれないため、反応を引き出すアプローチが必要です。
そのような生徒には、アバウトな質問をやめて
○か×
はい(YES) か いいえ(NO)
2者択一
で答えられるように質問を変えてみましょう。
先ほどの「これはどんな感じの曲だった?」だとすると、
- 「この曲は元気な感じがしたかな?それとも元気な感じじゃなかったかな?」
- 「この曲は元気な感じだった?それともやさしい感じだった?」
このように質問してみましょう。
「答えやすい質問」に切り替えることが大切です。
「いい例」だけでなく「悪い例」も聴かせる


レッスン中は、「ここはこう弾くとキレイだよ」と先生がお手本を弾く場面がありますよね。
このとき、「いい例」だけを聴かせていませんか?
もしかすると生徒は、先生の「いい例」の演奏を聴いて
「私も同じように弾いてるつもりなんだけどな」
と思っているかもしれません。
この場合はいい例と悪い例を「比較」して聴かせると、生徒も客観的に自分の演奏がどうだったのかを理解することができます。
次のようなプロセスで進めてみましょう。
- 先生「いまから先生が同じ部分を2回弾くから、どっちがいいか聴いててね」
- 「いい例」と「悪い例」を弾いて聴かせる
- 先生「①と②だと、どっちがきれいかな?」
- 生徒「②?」
- 先生「○○ちゃんはどうしてこっちがいいと思ったの?どこが違ってた?」
- 生徒「最後が大きいのが変だった」
- 先生「そうだね!よく気がついたね!最後はやさしく弾いた方がきれいだね」
このように「比較」して聴かせれば、生徒の耳に客観的に直接働きかけることができますし、生徒の意志も確認することができるようになりますね。
録音して聴かせる


これも大切な学習方法ですし、ずっと椅子に座って弾いている場合、リフレッシュの時間にもなります。
今はスマホで簡単に動画を撮影し、すぐにその場で確認できるのでとても便利になりました。
音質にこだわる方には向いていませんが、左右の手の音のバランスをチェックしたり、弾いている姿勢をチェックしたりする程度なら問題なくできるでしょう。
子どもは弾いているときに自分なりにいろんなことに気をつけて弾いていますが、自分の出している音をしっかり聴けているかというと、演奏に夢中になっていることが多いですよね。
「弾くこと」に夢中になってしまい「聴くこと」がおろそかになってしまうのです。
左右のバランスについて、どんなに注意しても直らない
姿勢が悪いのを注意しても弾いているうちに崩れてしまう
と困っている先生は、 ぜひ録音・録画をして実際に本人に「聴かせる」「見せる」ということをしてみてはいかがでしょうか?
「まず褒める」その後「課題を与える」


「生徒のやる気が感じられない」
「いつもつまらなそうにしている」
と感じている先生は、生徒への言葉がけを少し変えてみましょう。
もしかすると、指導がいつも「注意だけ」になっているかもしれません。
生徒の演奏が終わったあと、どのようなことを話しますか?
こんなふうに言われては、生徒は落ち込む一方です。
自分の演奏を全否定されたかのように捉える子どももいるかもしれません。



先生に怒られるからピアノ行きたくない
となってしまうケースだけは避けたいですよね。
私が教わっていたころはビシバシな先生が多い印象でしたが、一昔前と違い、今はスパルタでは子どもはついてきてくれません。
時代の流れなのか、今の子どもはちょっと打たれ弱くなっているのかもしれません。
もし、なにか注意したいことがあれば、 まずは「褒めてから」その次に「課題を与える」ようにしましょう。
- 「○○ちゃん、この間よりスラスラ弾けるようになったね」(褒める)
- 「じゃあ、この部分はちょっと弱く弾いてみようか。その方がもっとステキに聴こえるようになるよ」(課題を与える)
課題を与えるときも、ただ「こう弾いて」と弾いて聞かせるのではなく、
というように 生徒が前向きに捉えられるような言葉がけを行うといいでしょう。
リラックスできる時間・楽しめる時間を作る
生徒の表情が硬かったり、緊張が伝わって着たりする場合は、できるだけフレンドリーな雰囲気を作るように心がけましょう。
レッスンの合間に
- 雑談を挟む
- 優しく声をかける
- たくさん褒める
- ゲーム性のある素材で指導する
など、生徒が安心感を持てる環境を作ることが大切です。
とはいえ、あまり長い雑談やフレンドリーすぎるボディタッチは、生徒や保護者からの苦情につながることもあるため、気を付けなければいけません。
ゲーム性のある素材でおすすめなのは、おんぷカードやリズムカードを使った学習です。
気分転換にもなり、飽きさせずにレッスンを進行できますよ!
\リフレッシュする時間を作ろう/


一人ひとりの状況を見極めて対応しよう


今すぐレッスンで使える指導法のヒントをいくつかご紹介しました。
レッスンで「うまくいっていないな」と感じている先生は、生徒一人ひとりの状況を見極めたうえで、効果のありそうな指導法をぜひ試してみてくださいね。
親身になって生徒に寄り添い、成功体験や楽しさを実感させることで、生徒との距離は自然と縮まっていくはずです。
より良いレッスンが実現できるよう、日々生徒をよく観察してレッスンしていきましょう!



一人ひとりに合わせた対応を♪
\指導法に困ったらこちらもおすすめ/




この記事を書いた人


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はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
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