【小・中学校の先生必見】ピアノ伴奏をオーディションする際のポイント・注意点

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小中学校伴奏者オーディションのポイント・注意点
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小学校の音楽祭・文化祭、中学校の合唱コンクールなど、秋はピアノを習っている生徒にとって活躍できるチャンスがやってくる季節!

私の生徒も例年「オーディションがあるのでレッスンお願いします!」と楽譜を持ってやってくるのですが、困ってしまうことが多々あります。

「●日までに弾いてきて」って言われたよ

と、かなりアバウトな学校が多く、レッスンする側にとっては不明瞭な点がいっぱい・・・

この記事は、小中学校の先生で音楽祭や合唱コンクールに向けて

  • 伴奏者の選び方で悩んでいる人
  • オーディションをどのように実施すればいいのかわからない人
  • 難しそうだから左右分けて弾かせようか検討している人

におすすめです!

現役ピアノ講師が、伴奏者候補になった生徒を日々レッスンするなかで感じた疑問・経験をとおして感じたことから、伴奏者をオーディションする際のポイントや注意点をまとめます。

ピアノ講師からのお願い♪

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オーディションの日時・選考基準は明確に

はじめに、生徒のなかからオーディションで伴奏者を選考する場合の大切なポイントをご紹介します。

日時は余裕を持って設定する

これまでレッスンをしてきて、一番困ったのが

明後日にオーディションがあるみたいなんですけど、レッスンしていただけますか?

と保護者から連絡をいただいたときです。

ピアノのレッスンは通っている教室によっても異なりますが、大体週に一回が基本的。

オーディションの日程は余裕をもって決めましょう。

最低でも2~3週間後くらいが理想的です。

できれば夏休みの前に希望者に楽譜を渡して、夏休み後にオーディションを行うようにすれば、生徒も余裕を持って練習できますし、レッスンも定期的に受けられるでしょう。

直前だと厳しい!!

選考基準・オーディション範囲を明確にする

これまで私の生徒は、ただ楽譜を渡されて

「●日にオーディションがあるから、弾いてきて・・・って学校の先生に言われた」

という審査基準がアバウトなケースがとても多く、教える側としても困っていました。

ピアノ講師側からしてみると、そこにはいろいろな疑問が出てきます。

  • 6ページ全部弾いていくの?
  • ゆっくりでも両手で弾ければいいの?
  • 片手ずつではダメなの?
  • 最後まで完璧に弾いていかないといけないの?
  • 一部の場面(AやBなど)だけ表現力のある演奏では評価されないの?
  • ペダルは入れたほうが評価が高くなるの?

いろいろなレベルの生徒がいますから、審査・選考基準やオーディションで演奏してもらう楽譜の範囲はできるだけはっきり伝えてほしいです。

書面にして配布すると、保護者経由でピアノ講師にも伝わりやすいのではないでしょうか?

(例)
・オーディションは●月×日に行ないます。
・審査員は○○先生、▲▲先生、◇◇先生です。
・オーディションでは「◆◆◆」のA~Cまでを両手で演奏してもらいます。
・できるだけ止まらずに一定のテンポで弾きましょう。
・ペダルを入れられる人は入れても構いません。

このように明確に示していただけると、ピアノ講師としてもとても助かります!

特にオーディションまでの時間が短いのであれば、演奏範囲を設定してあげたほうが親切でしょう。

基準があるとみんな平等で安心♪

電子オルガン(エレクトーン)とピアノは違う楽器

これまで生徒が通う学校では

「ピアノやエレクトーンを習っている子、手を挙げてください」

と言われて、習っている生徒全員に楽譜を配られたこともありました。

私はピアノもエレクトーンも教えているのでわかるのですが、そもそもこの2つの楽器は左右の手で演奏する内容が異なります。

エレクトーンの生徒は左手で和音を弾くことが多いのですが、ピアノ伴奏は左手でベースラインとハーモニー両方を担当する曲もあるので、この点を難しく感じてピアノ伴奏を挫折してしまう子も・・・

そして自宅にエレクトーンしかない場合は、ピアノとは鍵盤数が異なるため、曲によっては鍵盤が足りないことがあるかもしれません。

またエレクトーンの生徒は、ピアノの右ペダル(ダンパーペダル)の練習ができません。

ですから、ペダルを必要とする曲の場合は難しいでしょう。

(補足)
エレクトーンには似たような機能としてサスティンペダルというものがありますが、これは太ももを使って操作するので、演奏方法が異なります。

\右のペダルがダンパーペダル/

もちろんエレクトーンを習っている生徒でも、コンクールで入賞していたり難しい曲をたくさん弾いていたりする場合(グレード6級以上取得者など)は、ピアノ伴奏を任せても上手に演奏してくれるでしょう。

\グレードの目安はこちらでチェック/

オーディション曲と本番で演奏する曲を変更しない

たくさんの生徒がオーディションに立候補しても、その曲で選ばれるのは補欠を含めて1~2人。

選ばれなかった子がかわいそうだから、

「○○○の曲を本番でやってみない?」

というようにオーディションとは異なる曲を渡すことは、おすすめしません。

それまでの努力の意味がわからなくなる

オーディションの曲を練習してきたことで「頑張ったこと」「努力したこと」は決して無駄にはなりません。

しかし、「やっぱりこっちの曲をやってみて」と別の曲を渡されると、オーディションの課題曲についやしてきた時間が無駄だったと感じてしまったり、努力した意味がわからなくなってしまったり・・・と生徒自身もモヤモヤしてしまうでしょう。

ゲームしてたほうがよかったじゃん・・・

新たな曲を譜読みするのが負担になる

生徒によっては譜読みが遅く、一音一音ドレミをふって、やっとの思いでオーディションに臨む子もいるでしょう。

そのような生徒にとって、短期間でまた新しい曲を最初から譜読みすることはとても苦痛です。

また最初からやりなおし・・・

はじめから数曲わけてオーディションしよう

生徒につらい思いをさせないためには、あらかじめ音楽祭で演奏する曲を難易度別に数曲選曲しておくことが大切です。

オーディションも「生徒が自分で演奏できそうなレベルの曲を選んでもらう形式」にすると、ライバルも少なくなり、生徒自身の練習の負担も少なくなります。

なかには、どのくらいのレベルの曲を弾けるのか自分で判断できない生徒もいますので、その場合はすべての楽譜を生徒に渡してお母さんやピアノの先生と相談して選んでくるように伝えてみてください。

\「ピアノが弾ける」にもさまざまなレベルが!/

\オーディション後のフォローも忘れずに!/

右手&左手に分けた連弾は危険な場合も

オーディションしたけれど、一人で全部演奏するのはとても大変そう・・・

このように感じた学校の先生が、

本来は両手で伴奏する曲を 右手は○○ちゃん、左手は▲▲ちゃん

というようにわけて連弾で演奏させようとする場合があります。

これはうまくいく場合もありますが、実はとても危険であるということを知っておいてほしいです。

ピアノ未経験の先生がやりがち

伴奏パターンによっては一人のほうが弾きやすい

これから例にあげるような伴奏の場合は、左右二人に分けるより一人で演奏したほうが断然弾きやすいです!

しかし、リズム感のよい生徒はこの限りではありません。

パターン①マーチの王道リズム

譜例は4分の4拍子で書きましたが、2拍子の楽譜ももちろんあります。

小学生が弾く用にアレンジされた楽譜によくある伴奏パターンですね。

これを二人で分けた場合、ヘ音記号を担当する生徒は弾きやすいのですが、ト音記号を担当する生徒は休符から始まることになります。

裏拍からのスタートになってしまうため、上手にビートに乗ることができません。

チグハグな演奏になってしまうことが多い例の一つです。

パターン②はずんだマーチのリズム

譜例を二つあげました。

こちらもマーチのリズムですが、ト音記号のリズムが先ほどの譜例と違うのがわかりますか?

これは裏拍がはずんで入るスキップのようなパターンです。

  • さんぽ
  • こぶたぬきつねこ
  • げんこつやまのたぬきさん

該当する曲には上記のようなものが挙げられます。

こちらの動画の20秒くらいからはじまるのが、はずむマーチのパターンです。

この伴奏を左右二人に分けた場合、ト音記号担当の生徒はとても入りにくく、合わせるのが大変です。

子どもにとって裏拍から入るということは、大人が思っているよりも難しいということを覚えておきましょう!

パターン③左右の受け渡しがある

左手から右手へ受け渡すようなフレーズがある曲を二人で分けて演奏すると、上手に受け渡すことができずフレーズが途中でプチっと切れてしまうことがあります。

右手から左手への受け渡しがある曲も同じです!

体や手がぶつかって演奏しにくい

ピアノ伴奏は、もともと一人で演奏するように編曲されています。

連弾用の楽譜なら、体や指がぶつからないように配慮して編曲されているものもある(わざとクロスするものもあります)ので演奏しにくいということはないでしょう。

一人で演奏することを目的に編曲された楽譜を、二人で分けて並んで演奏すると体や指の接触に配慮されていないため、演奏しにくいのです。

一緒に合わせる練習時間の確保が難しい

二人で一緒に演奏するということは、二人で一緒に合わせる時間が必要になります。

伴奏をお願いした生徒が二人とも同じピアノの先生に習っていれば、一緒にレッスンする時間を作ってくれるかもしれませんが、別々の先生に習っているとすれば、合わせることができるのは「学校のみ」です。

休み時間に合わせたり、放課後に居残りをしてもらって合わせたり・・・という状況になることも想定しておかなければいけません。

二人で息を合わせて演奏することは、思っているよりも難しいことなのです。

生徒の気持ちに寄り添ったオーディションを!

小中学校でピアノ伴奏者のオーディションをする際のポイントや注意点をまとめました。

  • オーディション日時・選考基準・演奏範囲は明確化する
  • 数曲ある場合はそれぞれ分けてオーディションをする
  • 「難しそうだから」といって左右に分けるのは危険

以上のことに配慮し、生徒の気持ち・立場を考えたうえでオーディションしていただけると、ピアノ講師としてもとても助かります!

音楽祭が成功しますように

\こちらも知っておいてほしい!/

\本番で指揮する先生はこちらも必見/

この記事を書いた人

nabecco
nabecco
はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
小中学校伴奏者オーディションのポイント・注意点

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