小・中学生のころ、 「バッハってカツラなんだよ」 という噂を耳にしませんでしたか?
子どもは(特に男の子は)カツラやハゲネタが大好き!食いつき方が半端ないです。
今回はそんな禁断の(?)作曲家の髪の毛事情についてお話しします。
バッハやモーツァルトの髪はカツラなの?
突然ですが・・・
小学校や中学校の音楽室に飾ってある作曲家たちの肖像画、あなたはどのくらい覚えてますか?
時代が古い順にバッハ、ヘンデル、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン・・・このあたりの肖像画は思い出せますか?
ベートーヴェンの肖像画を見てみよう
まずは、古典派の作曲家ベートーヴェンの肖像画を見てみましょう。
ベートーヴェンは髪の毛が逆立っていて、顔もちょっと怖い感じなのでワイルドな印象を持つ方も多いのではないでしょうか。
ベートーヴェンはカツラではなさそうですね。
ベートーヴェンより前に活躍した作曲家の肖像画を見てみよう
では、ベートーヴェンより前に活躍していた作曲家の肖像画を時代を遡りながら見てみましょう。
まずはモーツァルトから。
次にハイドンの肖像画はフリー画像でなかったので、イラストで。
そしてヘンデルもイラストで失礼します。
最後に、バッハの肖像画です。
ここまで見てみると、モーツァルト、ハイドン、ヘンデル、バッハは白い髪の毛でクルクルになっていますね。
「えっ?白髪のパーマヘア?」
と思う方もいるかもしれませんが、残念ながらこの時代はまだパーマをかける技術はありません。
顔は若いのに、頭全部が白髪・・・というのもおかしいですよね。
当時はカツラが正装!クルクルカールのカツラが流行の最先端
実は中世ヨーロッパでは カツラをかぶるのが正装 とされていたんです。
決してハゲを隠していたわけではありません!
カツラのなかでも、クルクルのカールのカツラは貴族のなかで人気で、流行の最先端だったといわれています。
特に宮廷音楽家として高貴な場所に出入りするようなバッハやモーツァルトは、カツラをかぶって正装する必要があったんですね。
先ほどもお話ししたように、ベートーヴェンのワイルドヘアは当時のカツラの流行からはかけ離れていますから、ベートーヴェンは自毛といえるでしょう。
中世ヨーロッパでカツラが流行した理由
中世ヨーロッパでなぜカツラが流行したのか・・・。
それは イギリスのエリザベス1世が生み出したのではないか 、という説が有力なようです。
エリザベス1世は1562年に天然痘という病気にかかり髪を失ってしまいました。
髪が無いのと、天然痘の痕を隠そうと思いついたのがカツラです。
そのカツラをかぶった姿がとても美しかったので、エリザベス1世は憧れられるようになったといわれています。
一方フランスでは、ルイ13世が薄くなった頭を隠そうとカツラをかぶるようになり、徐々におしゃれなカツラが流行していったのです。
また当時は、髪を洗うという文化がありませんでした。
ですから、髪をツルツルに剃ってしまった方が衛生的で病気になりにくいとされていたのです。
バッハやヘンデルはツルツルに髪の毛を剃ってカツラをかぶっていた といわれています。
なぜ白髪のカツラなの?
カツラをかぶる理由については分かりましたね!
ではなぜ白髪なのでしょう?
それは、 カツラをかぶったら髪粉というものをかけて白く仕上げるのが当時のファッションだったから です。
この髪粉というのは、じゃがいものでんぷんや小麦粉なのだそう。
白髪のカツラ・・・
いまでは想像もできない不思議な文化ですね!
古い時代の作曲家のカツラは正装・おしゃれアイテムだった
バロック時代~古典前期の作曲家はカツラであることが分かりました。
しかし、カツラは当時の貴族の正装なので、特にハゲを隠していたわけではなさそうです。
カツラに着目して肖像画をみると、当時の流行やどの作曲家がお金持ちかが分かっておもしろいかもしれませんね!
ところで「バロック」の語源をご存知ですか?こちらの記事で解説しています↓
この記事を書いた人
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はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
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