絶対音感を持っていると音楽を学ぶ上でいろいろなメリットがありますが、実は 「移調楽器が苦手」 という人が一定数いるのをご存知ですか?
吹奏楽部に入ったらびっくり!
このように絶対音感を持っている人が、吹奏楽部で移調楽器担当になったらびっくりしてしまうこともあります。
今回は、絶対音感を持つ人がなぜ移調楽器を苦手と感じてしまうのかと、絶対音感を持っている方におすすめの楽器、もし移調楽器担当になったときの対処法についてご紹介します。
早速いってみよ~!
絶対音感持ちが移調楽器を選ぶと苦労すること
絶対音感を持っているということは、ある意味特殊な才能があるということです。
音楽が好きでピアノやヴァイオリンなど何らかの楽器を習っている人は、読譜もできるため音楽系の部活を選ぶ方も多いのではないでしょうか?
吹奏楽部・管弦楽部の担当楽器選びは慎重に
その才能を活かして、中学校や高校の部活は
吹奏楽部や管弦楽部に入りたい!
という人もいるはず。
でもちょっと待って!
楽器の希望を出すまえに、本当にその楽器でいいのか考えないと大変なことになるかもしれませんよ?
絶対音感がある方はできるなら実音で記譜される楽器を選んだほうが無難です!
その理由はこの記事を読み進めていくと納得できますよ。
移調楽器を選ぶと苦労すること
部活で自分が担当する楽器を選ぶとき、どの楽器にしようかワクワクしますよね。
体験入部の際はいい機会なので、ぜひ一通りいろんな楽器を経験してみてください。
吹いてみると分かりますが、 楽器には実音で記譜する楽器と、楽譜の音と実際に聴こえる音の高さが異なる移調楽器があります。
もし絶対音感を持つ人が移調楽器を吹いたら、どうなるでしょう?
- 自分が出している音が楽譜に書いてある音と違って聴こえるため、気持ち悪くなってしまう
- 移調楽器の楽譜を読むのに、すごく時間がかかってしまう
- 指示された音がすぐにわからずに混乱してしまう
こんなことが起こってしまいます。
絶対音感を持つ私の子どもも、
吹奏楽部で「ドレミファソラシド」を吹いてみましょう!
と言われたのに
実際に聴こえてきたのが「♭シ・ド・レ・♭ミ・ファ・ソ・ラ・♭シ」で気持ち悪くなった
このような経験をしたのだとか・・・
もう、ワケわからない!
と、ご立腹でした。
移調楽器とは?主な移調楽器
絶対音感持ちが移調楽器担当になると、ちょっと大変なことになりそう・・・
ということはお分かりいただけたのではないでしょうか?
ここで一旦、移調楽器とはどんな楽器かや主な移調楽器の種類をご紹介します。
移調楽器とは
先ほども少し触れましたが、移調楽器は楽譜に書いてある音と実際に聴こえる音の高さが異なります。
例)楽譜にはドと書いてあるけど、吹いてみると♭シが出る
絶対音感を持っている方が、このように感じる楽器はすべて移調楽器です。
相対音感を持っている方や絶対音感を持っていない一般の方は、この違いに気づくことは滅多にありません。
なぜ移調しているのか
管楽器は同じ楽器のなかでも管の長さが違う(出せる音域が違う)ものがありますね。
例えばサックス一つとっても、
- ソプラノサックス
- アルトサックス
- テナーサックス
- バリトンサックス
このように管の長さが長くなるほど低い音域が出ます。
各楽器の運指は、覚えやすいように「ドレミファソラシド」となっていることが多いのですが、もし楽器を持ち替えたときにその楽器の実音に合わせて指番号が変わってしまうのは大変ですよね?
同じ運指で動かせた方が演奏者は楽です!
上記でご紹介したサックスは、それぞれ管の長さは異なりますが運指は同じなので、各楽器の吹き方のコツさえつかめばすべてのサックスを吹けるようになります。
主な移調楽器
移調楽器の種類はたくさんありますが、主な移調楽器を挙げてみましょう。
- クラリネット(B A ほか)
- サックス(B Es)
- ホルン(F ほか)
- トランペット(B C ほか)
代表的なキーも書いてみましたが、このほかにも存在します。
私が吹いているのはB管(ベー管)のクラリネットだよ!
移高楽器とは
また実音よりも1オクターブ高く聴こえる楽器として
- ピッコロ
- グロッケンシュピール
- シロフォン
1オクターブ低く聴こえる楽器として
- コントラバス
- コントラファゴット
なども移調楽器の仲間ですが、これらの楽器のようにオクターブ単位で楽譜と異なる音が出る楽器は移高楽器と呼ばれます。
移高楽器は高さはオクターブ違いますが、音自体は同じ音が聴こえてくるので、絶対音感持ちにはそれほど苦労はありません。
移高楽器は絶対音感持ちさんにもおすすめ!
できるなら実音で記譜される楽器を選ぼう
引退する3年生のパートの補充やほかのパートとのバランスなどから、自分の希望するパートになれるかは分からないと思いますが、 苦労したくないなら実音で記譜される楽器を希望しましょう!
実音で記譜される主な楽器
実音で記譜される主な楽器は次の通りです。
- フルート
- オーボエ
- ファゴット
- トロンボーン
- ユーフォニアム(まれにBもあり)
- チューバ(まれにBもあり)
また、このほかにも先ほどご紹介した移高楽器も苦労することがないでしょう。
パーカッションもおすすめ!
パーカッションにはグロッケンシュピールやシロフォンなどの移高楽器もありますが、
- タンバリン
- カスタネット
- グランカッサ(バスドラ・大太鼓)
- スネア(小太鼓)
- シンバル
- ドラム
などなど・・・ほかにもたくさんありますが、このようにリズムを担当する楽器もあります。
パーカッションは鍵盤状になっている楽器以外(ピアノやグロッケン・マリンバなど)は、リズムだけ楽譜に書かれてあるので、出てくる音で混乱することはありません。
このような理由から絶対音感を持っている方は、パーカッションもおすすめですよ!
もし移調楽器担当になってしまったら
もし絶対音感持ちの方が、パートの希望が通らず移調楽器になってしまったらどうしたらいいのでしょうか?
対処方法を3つご紹介します。
割り切って移調楽器に慣れる
最終的には割り切って移調楽器に慣れるしかありません。
絶対音感で聴こえてくる音と楽譜に書いてある音を切り離して考えましょう。
それが難しいんだよね・・・
頭の中で楽譜を変換する
慣れてくると、その楽器に合わせて頭の中で楽譜の音を上げたり下げたり・・・と変換して読めるようになる場合もあります。
すぐにはできるようにならないので、ある程度経験が必要です!
楽譜を書き直す
実音に楽譜を書き直してしまう方法もあります。
どうしても聴こえてくる音が気持ち悪いなら、 楽譜を実音で書き直すことで気持ち悪さは解消されますよ。
楽譜制作ソフトを使うと、実音で打ち込んだものを簡単に移調できるのでおすすめです!
ちなみに学生の方は通常版よりお得なアカデミック版を利用できます!
ソフトを使うと一瞬で書き換えできちゃう!
実音で記譜される楽器orパーカッションを希望しよう!
絶対音感を持っている人が移調楽器を担当すると、初めは目と耳で感じる音のギャップに混乱してしまう人が多いようです。
できることなら、実音で記譜される楽器またはパーカッションを希望したほうが混乱せずに済みますよ!
この記事を書いた人
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はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
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