ピアノを教える仕事をしていると、近所の方から「○○ちゃんはお母さんにピアノを教えてもらえるからいいね~!習いに行かなくていいもんね」というようなことを言われます。
「いえいえ、実は私、自分では教えていないんです」
と答えると「なんで!?」と不思議がられます(笑)
今回は 「ピアノ講師である親が子どもにピアノを教えることってどうなんだろう?」 という疑問について、私が感じていることをお話ししたいと思います。
ピアノ講師である親が自分の子に教えない理由とは?
確かに自分の子どもに自分が教えればお月謝もかからないし、レッスン会場まで送迎しなくて済むので、いいことづくめのような感じもしますね。
でも私は自分では教えません。
子どもが幼稚園に入るまでは、遊びの一つとして歌を歌ったりリズム遊びをしたりしていましたが、鍵盤を弾ける年齢になってからは、きちんと別の先生にお願いしました。
なぜかというと、 自分で自分の子どもに教えることにデメリットを感じたから です。
私が自分で教えない理由をいくつかご紹介しましょう。
自宅だとメリハリがつかない
自宅で子どもに教えても、いつも過ごしている場所なので「遊び」なのか「レッスン」なのかその線引きが曖昧になってしまいます。
「〇時からはピアノの時間ね」と話しても、30分集中できずに他の遊びに興味がいってしまうこともあります。
感情的になってしまう
私の場合、これが一番の理由です。
習いに来ている生徒さんに対しては、よほど練習してこない限りは感情的になることもないのですが、自分の子どもに対しては沸点が低い(笑)
ブレスできなかったり、少しでも気が散りだしたりすると「なんでできないの!?」というふうになってしまいます。
自分の生徒だと、できるだけ褒められるところを探そうと頑張るのですが、自分の子にはそれができないんですね。
もちろん日常生活の中で「できたこと」についてはなるべく褒めるように心がけていますが、ピアノに関しては厳しくなってしまいます・・・。
甘やかしてしまう
自分の子どもだとついつい甘やかしてしまいますよね。
感情的になることと矛盾してしまうのですが、自分の予定が立て込んでいると「今日じゃなくてもいいかな」と思ってしまったり、「まだできなくても仕方ないかな」と思ってしまったりすることがあります。
自分の子どもは、月謝を払って習いに来ている生徒とくらべると「責任を感じていない」のかもしれません。
子どもの「先生」である前に「母」でいたい
これも大きな理由の一つかもしれません。
「レッスンする時だけ、お母さんじゃなくて【先生】って呼ぶんだよ」というのにとても抵抗があります。
子どもにとっては、つねに「お母さん」でいたいと思います。
もちろん日常生活に必要なことや、礼儀作法・しつけなどは親として責任を持って子どもに教えなければいけません。
他の先生から違った角度でみてもらいたい
自分で教えるということは、自分が持っている知識や技術しか教えることができません。そこには限界があります。
教え方にはいくつものアプローチがあるし、私が気にしていないようなことを他の先生は気づいて指摘してくれることもあります。
他の先生から習うことで、子どもはもちろん私も勉強になることがあるのです。
まとめ
私が自分で自分の子どもにピアノを教えない理由をいくつかご紹介しました。
もちろん世の中には、ピアノ講師をされているお母さんが自分で自分の子どもに教えているご家庭もたくさんあると思います。ですから一概に「自分の子どもに教えるのがいけないこと」とは言い切れません。
私の場合は、 自分で教えることより他の先生にお願いすることの方がメリットがたくさんあると思った のでそうしています。
私の先輩も「あれこれ口出ししないで、先生にお願いしていた方がお互い(母と子)のためよ」とよく言っています。確かにその方が今のところ平和な感じがしますね。
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