バッハやモーツァルトの髪はカツラなの?
音楽室の肖像画覚えてますか?
小学校や中学校の音楽室に飾ってある作曲家たちの肖像画、あなたはどのくらい覚えてますか?
バッハ、ヘンデル、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン・・・このあたりの肖像画は思い出せますか?
ベートーヴェンは髪の毛が逆立っていて、顔もちょっと怖い感じなのでワイルドな印象を持つ方も多いのではないでしょうか。ベートーヴェンはカツラではなさそうですね。
しかし、それ以前のバッハ、ヘンデル、ハイドン、モーツァルは白い髪の毛でクルクルになっていますね。
「えっ?白髪のパーマヘア?」
と思う方もいるかもしれませんが、残念ながらこの時代はまだパーマをかける技術はありません。顔は若いのに、あんなに全部が白髪・・・というのもおかしいですよね。
当時はカツラが正装だった
実は中世ヨーロッパでは カツラをかぶるのが正装 とされていたんです。決してハゲを隠していたわけではありませんよ。
カツラのなかでも、特にクルクルのカールのカツラは貴族のなかで人気で流行の最先端だったわけです。
特に宮廷音楽家として高貴な場所に出入りするようなバッハやモーツァルトは、カツラをかぶって正装する必要があったんですね。
先ほどもお話ししたように、ベートーヴェンのワイルドヘアは当時のカツラの流行からはかけ離れていますから、ベートーヴェンは自毛といえるでしょう。
中世ヨーロッパでカツラが流行した理由
中世ヨーロッパでなぜカツラが流行したのか・・・。それはイギリスのエリザベス1世が生み出したのではないか、という説が有力なようです。
エリザベス1世は1562年に天然痘という病気にかかり髪を失ってしまいました。髪が無いのと、天然痘の痕を隠そうと思いついたのがカツラです。
そのカツラをかぶった姿がとても美しかったので、エリザベス1世は憧れられるようになったといわれています。
一方フランスでは、ルイ13世が薄くなった頭を隠そうとカツラをかぶるようになり、徐々におしゃれなカツラが流行していったのです。
また当時は、髪を洗うという文化がありませんでした。ですから髪をツルツルに剃ってしまった方が衛生的で病気になりにくいとされていたのです。
バッハやヘンデルはツルツルに髪の毛を剃ってカツラをかぶっていたといわれています。
なぜ白髪のカツラなの?
カツラをかぶる理由については分かりましたね!ではなぜ白髪なのでしょう?
それは、 カツラをかぶったら髪粉というものをかけて白く仕上げるのが当時のファッションだったから です。この髪粉というのは、じゃがいものでんぷんや小麦粉なのだそう。
白髪のカツラ・・・いまでは想像もできない不思議な文化ですね!
まとめ
バロック時代~古典前期の作曲家はカツラであることが分かりました。しかし、カツラは当時の貴族の正装なので、特にハゲを隠していたわけではなさそうです。
カツラに着目して肖像画をみると、当時の流行やどの作曲家がお金持ちかが分かっておもしろいかもしれませんね!