ピアノを弾いているとき

なんだか弾きにくいな



指が動かない気がする
と感じたことはありませんか?
その原因は、もしかすると肩に力が入っているからかもしれません!
ピアノの先生に「肩の力を抜いてみて」と指摘されて、気づくケースもありますよね。
ピアノ演奏では「脱力が大事」とよく言われますが、具体的にどこに力が入っていると問題なのかや、どうやって気づけばいいのかについては、自分では意外と分かりにくいもの。
特に肩まわりの力みに気づかずに弾き続けていると、演奏だけでなく身体にも悪影響が出てしまいますよ?
この記事は
現役ピアノ講師が、ピアノを弾くときに肩に力が入るとどうなるのか、そしてその状態を自分で判断するポイントや肩の力を抜く方法を分かりやすく解説していきます。



正しい姿勢で演奏しよう♪
肩に力が入った状態とは?


まず、「肩に力が入っている」とは、どういう状態かを確認しておきましょう。
これは単に「筋肉が動いている」といったレベルの話ではなく、不自然な緊張が肩周りに生じている状態を指します。
たとえば、次のような状態に思い当たる節はありませんか?
- 演奏中に肩が上がってしまう
- 首筋がピンと張ってしまう
- 無意識に肩をすくめたような姿勢になってしまう
こうした状態になると、腕や手、そして指先まで余計な力が伝わり、腕をしなやかに使った演奏ができなくなります。
自分では「普通に弾いているつもり」でも、身体はどこかで踏ん張ってしまっているのですね。
この肩の力みは、長時間続くことで筋肉の疲労や痛みの原因にもなり、音にも影響してしまうため、早めに気づいて改善することが大切です。
\豊かな表現は姿勢から/


肩に力が入るとピアノ演奏にも悪影響が!


肩に力が入ったままピアノを演奏すると、どのような影響があるのでしょうか?
そのリスクを具体的に解説します。
指が動きにくくなる
ピアノを演奏するときは、特に指先の動きが大切ですよね。
しかし肩に力が入ってしまうと、その力が腕から手、指先にかけて伝わってしまいます。
その結果、次のような状況が起きることも・・・
- 指がうまく回らない
- 細かいパッセージや速い動きで転ぶ
- ロボットみたいな動きになってしまう
まるで重たい鎧を着たまま演奏しているような感覚になることもあります。
いくら練習しても「なんだかスムーズにいかない」と感じる場合は、肩の力みを疑ってみましょう。
音が硬くなる・響かない
力んだ状態で鍵盤を叩くと、音にもその“硬さ”が表れてしまいます。
たとえば、石を水に落とすのと、マシュマロを水に落とすのとでは、水しぶきの上がり方がまったく異なりますよね?
繊細なタッチや柔らかい響きを出したいと思っていても、肩に余計な力が入っていると、それが阻害されてしまうのです。
柔らかく豊かな音を出したいのに
- 音が刺さるように聴こえる
- 音の響きが薄い
- 音が遠くまで飛んでいかない
と感じたら、それも肩の力みが原因かもしれません。
疲れやすい・肩こりの原因になる
長時間の練習やレッスンのあとに肩がバキバキと鳴る!・・・という人も少なくありません。
肩に無意識のうちに力を入れて弾いていると、筋肉が固まって血行が悪くなり、コリや痛みの原因になります。
最悪の場合、腱鞘炎や首・背中の不調を引き起こすことも。
首・肩の不調は、頭痛を招きやすいので、日常生活に支障が出てくることもあるかもしれませんね。
ピアノを弾いて音楽を楽しみたいのに、それが原因で身体のトラブルにつながるのは避けたいところです。



いつも肩がバッキバキ…
\体の不調は肩が原因かも/
肩に力が入っているかを判断するポイント


では、実際に自分が肩に力を入れてピアノを弾いていないか、どうやってチェックすればいいのでしょうか?
いくつかチェッぜひク方法をご紹介しますので、「肩に力が入ってしまう!」という方はぜひ参考にしてくださいね。
録画してセルフチェックする
自分の姿勢や肩の動きを客観的にチェックするのに効果的なのが、自分の演奏を録画して見る方法です。
スマホやタブレットで、自分の演奏している様子を横から録画してみましょう。
演奏中に、肩がグッと持ち上がっていたり、首がすくんでいたりしませんか?
演奏に集中すると、無意識に身体がこわばることがあります。
つねに脱力できているか、自分のクセを簡単にチェックできるおすすめの方法です!
鏡を置いて弾いてみる
ピアノの横に姿見用の鏡を置いて、演奏中の自分の姿を観察する方法もあります。
しかし、チェックする際に横を向いて姿勢が崩れてしまうというデメリットも。
今は簡単にスマホで録画して、その場ですぐ再生できるので、姿見用の鏡がない場合は、わざわざ準備しなくても事足りるでしょう。
他人に見てもらう
ピアノの先生や家族・友だちなどに演奏しているところを見てもらい、客観的な意見を聞くのも大事ですよね。
自分では気づかない小さなクセを見つけてもらえることがあります。
他人のアドバイスは素直に受け取るようにしましょう!



週末家族の前で弾いてみようかな♪
\「肩が痛くなくなった!」の声も/
肩に力が入らないためのコツ・対処法


もし、ピアノ演奏中に肩に力が入っていることに気づいたら、これからご紹介する対処法をいくつか試してみてください。
肩をわざと持ち上げてストンと落とす
簡単に脱力状態を確認する方法の一つが、「わざと力を入れてから脱力する」こと。
肩をグッと持ち上げて、そのままストンと落としてみてください。
すると自然と肩が下がった状態になり、力の抜けた感覚がつかめるはずです。
この状態をキープしたまま鍵盤に手を置いて弾き始めましょう。
でんでん太鼓のように腕をブラブラする


脱力を体で覚えるために、「腕ブラブラ体操」もおすすめです!
立った状態で腕の力を完全に抜き、でんでん太鼓のように左右に軽く揺らしてみてください。
何回か繰り返して腕を動かすのをやめてみると、肩や腕の力が抜けて、手の先のほうにズーンと重さがかかるのがわかるはず。
この感覚がわかると、重力を使った演奏が可能になります。
演奏前にストレッチをする
練習の前に軽くストレッチをするだけでも、肩や首の緊張を和らげることができますよ。
おすすめのストレッチ
- 首をゆっくり回す
- 肩を上下に動かす
- 腕を上や横に伸ばす
このような簡単な動きでOK!
身体がほぐれることで、自然と演奏時の脱力にもつながりますよ。
深呼吸を意識する


呼吸が浅くなると、無意識に身体が緊張してこわばってしまいます。



気づいたら息してなかった
このように夢中で演奏しているときや、難しい曲に挑戦しているときは、呼吸が止まっていることも!
特に演奏する前は、意識して深くゆっくり息を吸い、吐くことで、自然と身体の力も抜けていきます。
1フレーズ弾くごとに「一度深呼吸」を習慣にしてみてもいいでしょう。



ブレスが大事♪
ピアノに対して椅子の高さ・位置を見直す
意外と見落としがちなのが、ピアノと椅子の高さのバランス。
椅子が高すぎたり低すぎたりすると、無理な姿勢になって肩に力が入りやすくなります。
自然な位置で腕が垂れていると、肩の力みもなくなってくるでしょう。
もし足が床に付かない場合は、そこから姿勢が崩れて変なところに力が入ってしまいます。
足台や補助ペダルなどを準備して、正しい姿勢で演奏できるようにしましょう。
\無理に椅子を下げてない?/


肩の力みは気づけば直せる!


ピアノ演奏中の肩の力みは、初心者だけでなく中・上級者にも起こり得る問題です。
むしろ長く続けている人ほど「気づかないうちにクセになっていた」というケースもあるんですよ。
でも大丈夫!
少し意識を変えるだけで、音の響きや弾きやすさ、そして体への負担まで、少しずつ改善されていくでしょう。
まずは今日の練習から、今回ご紹介した以下の方法を始めてみてください。
- 録画して自分の演奏を見てみる
- 深呼吸してから始める
- 運動やストレッチを取り入れる
あなたのピアノが、もっと自由で気持ちよく響くものになりますように!



試してみてね♪
\豊かな表現は姿勢から/




この記事を書いた人


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はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
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