ピアノを習ったことがある人なら、そのほとんどの人が経験していると思われる「ハノン(HANON)」。いわゆる「指の運動」として5本の指を鍛えるために行われていますね。
今回はこのハノンを練習すると、どんなメリットやデメリットがあるのかを考えてみたいと思います。
ハノンを練習する意味は?
今でも日本のピアノレッスンでは、指の運動としてハノンを取り入れているところが多いですね。昔は「バイエルとハノン!」という感じで必ずレッスンで使っていた時代もあったそうです。
最近ではその傾向は少し薄れつつあるようですが、ハノンをレッスンに取り入れている先生は今でも多いですね。
しかし、生徒の中には「なんでこんなつまらない運動を何回もしないといけないんだろう?」と思う人も存在していることは確かです。私もその一人でした・・・。
しかも、ハノンさんは「1番~5番を毎日1回以上弾きなさい」などという指示まで書いています。「そんなの時間がいくらあっても足りないよ!」「好きな曲の練習がしたいのに!」とよく思ったものです。
では、ハノンを練習することでどんな力が身につくのでしょう?今回はハノンを弾くことでのメリットやデメリットを考えていきましょう。
ハノン第1部で身につく力とは?
「これをやって何の練習になるんだろう・・・」ハノンの第1部1~31番をやったことがある人なら一度は思ったことがあるはず。
メロディーがあるわけでないし、ハーモニーがあるわけでもない。ハノンは機械的な音型の羅列ともいえますね。そのため表現力を身につけることはできません。
譜読みの練習になるかというと、おそらく初見でできてしまう人も多いので譜読みの練習にはなりません。
ハノンを弾くことにどんな意味があるのか・・・。
1つは「指の筋トレ」、もう1つは「指の持久力をつける」といったところでしょうか。なんだか体育会的ですね!
さまざまなパターンの音型を反復練習することで、5本の指を鍛え独立させていきます。また、同じ音型を繰り返し弾くことで指に持久力がつきます。
ただ楽譜の通りに弾くだけでなく、いくつかのリズム練習を取り入れ左右揃えて弾くことを意識するといいでしょう。
このように練習することで、早いパッセージを弾くときに転びやすい3・4・5の指が鍛えられます。音の粒をそろえる練習にもなりますね。
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デメリットもある!?
ハノンを練習することで指の筋トレはできますが、デメリットもいくつかあるようです。
まず一番に考えられるのは「生徒のやる気がなくなる」ということ。 特に小さい子どもの場合は、こういう同じことを何回も繰り返してやることは飽きる原因にもなりますね。
「ハノンばっかりでヤダ~」「ハノン練習しなきゃいけないならピアノやめる!」なんて生徒を生み出していることも確かです。 大人でも「どうして練習しないとおけないのか」「練習する意味」を説明してもらわないと、やる気が出ませんよね?
もう1つは、「どんな曲もフォルテで弾きゴツゴツした演奏になりやすい」ということ。
ハノンはフォルテ(強い音で)指をはっきり動かして弾くように指示が書いてあります。 そのためハノンだけに時間をかけて練習している生徒は、上手に脱力することができず力任せに弾いてしまう傾向にあるようです。
そうならないためにも、 ほかの曲や練習曲を通して表現を磨いていく必要があると思います。
まとめ
ハノン教則本は今でも多くのピアノ教室で使われています。その使い方は先生によってさまざまあるかと思いますが、 ハノンだけに時間をかけてしまうと練習嫌いの生徒が生まれたり、音楽的表現に欠ける生徒が生まれたりすることもあります。
確かに指を鍛えることは大事ですが、そこだけに重きを置かないように気をつけて別の曲・練習曲を使ってテクニックや表現方法を磨いていかないといけないと思います。
この記事を書いた人
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はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
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