ピアノをはじめとしたコンクールや発表会は、生徒が大きく成長する場でもあります。
また、それと同時に緊張やプレッシャーと戦う場です。
そんなドキドキの本番を終えた後に生徒にかける言葉には、特に気をつけなければいけません!
この記事は
- 本番後の生徒への言葉がけに悩んでいる人
- 自分の言葉がけが正しいのか気になる人
- これから生徒が本番を迎える人
におすすめです!
これからご紹介する【NG例】を参考に、具体的にどのような言葉がけをしたらいいのかを考えてみましょう!
言葉選びは慎重に♫
不用意な言葉が生徒に与える影響
演奏後、生徒に会ったときに思いついたまま話してしまうと、時に生徒を傷つけてしまうこともあります。
先生の不用意な一言が生徒に与える影響としては、次のようなことが考えられます。
このような状況を回避するためにも、演奏後生徒にかける言葉はしっかり準備しておきたいものですね!
子どもは繊細!
\【OK例】はこちらにも!/
本番後の言葉がけ【NG例】をポジティブ変換しよう
それでは、ここから具体的にコンクールや発表会の本番後に生徒に対して言ってはいけない言葉の【NG例】をご紹介します。
併せてどうしてその言葉を言ってはいけないのか、その理由と代わりにどのような声掛けが適切か、ポジティブな言い方に変換した【OK例】もご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね!
自分の言葉がけに【NG例】がなかったか、過去をさかのぼって思い出してみましょう。
「なんで失敗したの?」
コンクールや発表会が終わった直後、生徒は自分の演奏がどうだったか、さまざまな感情を抱いているはず。
- 成功した喜び
- 失敗した悔しさ
- 人前で演奏したことへの緊張感、はずかしさ
など、心が大きく揺れ動いているときです。
そんなときに先生から「どうして失敗したの?」と言われたらどうでしょう?
この言葉は生徒自身を追い詰めてしまい、生徒が自分を責める原因となりかねません。
失敗は誰にでも起こるものですし、失敗したことは本人もよくわかっているはずです。
そこを指摘されると生徒は
自分が努力不足だからだ
と感じて、自信を失ってしまうこともあります。
改めて先生に指摘されることで、生徒の傷口をさらに広げてしまうことに・・・。
ポジティブ変換しよう
失敗の原因を生徒から聞きたいとき、今後失敗しないためにはどうしたらいいのかを伝えていときは
「よく頑張ったね。今日の演奏○○ちゃんはどう感じた?」
このように聞いてみましょう。
生徒が自分自身の感情を表現できるようにサポートすることにより、生徒は自分の気持ちに向き合い、次のステップに進むための前向きな考えを持つことができます。
「練習が足りなかったよね」
努力や練習時間の確保は、本番に臨む生徒にとって大切な要素ですが、「もっと練習すればよかったのに」という言葉は、結果やミスを責めるニュアンスとして感じてしまうことがあります。
たとえ練習不足が事実だったとしても、そこを指摘することは生徒の自己肯定感を低下させる可能性があるということを覚えておきましょう。
生徒はすでに、自分なりに一生懸命準備をしてきたことを認識しているはず。
その努力を先生に否定されることで、次へのモチベーションが低下することも考えられますので、練習不足を指摘したくてもグッと我慢しましょう。
ポジティブ変換しよう
練習不足を指摘したくなる気持ちもとてもわかりますが、まずは生徒がやってきた練習の成果をねぎらうことからはじめてみませんか?
「◆◆の部分は、練習の成果が出ていたね。次はどんな部分を伸ばしていきたい?」
この場合も、生徒自身が自らの課題を見つけられるように促すのがポイント。
ポジティブなフィードバックを通じて、生徒が次のステップに向けてやる気を持ち続けられるようにサポートしたいですね!
「あの部分、間違えたよね」
具体的なミスや失敗を指摘することは、生徒に対してとてもデリケート。
特に本番後すぐのタイミングで「あの部分、間違えたよね?」という言葉をかけられると、生徒はそれまでの頑張りや上手に演奏できた部分までもが無視されてしまったように感じるかもしれません。
先ほども触れましたが、ミスはすでに本人が一番気にしていることなので、そこを指摘されるとミスしたことばかりに固執してしまいます。
本番後に生徒に伝えるフィードバックは、できる限り全体のパフォーマンスに対する評価からはじめましょう。
ポジティブ変換しよう
はじめは演奏全体を肯定的に評価していきます。
「今日は全体的にテンポが安定していてよかったよ。○○ちゃんは、どんなところがうまく演奏できたと思った?」
「褒める要素が見当たらない」という演奏も、場合によってはあるかもしれません・・・
そのような場合でも
- 一人で最後まで演奏できて偉かったよ
- 緊張するステージで諦めないで最後まで頑張ったね
- 今日のステージまで一生懸命練習してきたことは先生も知っているよ
というように、生徒の努力を認めてあげる言葉をかけてあげたいですね。
肯定的なフィードバックをすることで、成長した部分に焦点を当てることができます。
そうすることで生徒が自分の演奏のよい部分を意識できるようになり、自己肯定感を高めるきっかけにもなるでしょう。
「◯◯さんの方が上手だったよね」
他の生徒との比較は、先生(指導者)や保護者がやってはいけない最も危険なことです!
「◯◯さんの方がうまかった」という言葉は、生徒の自尊心を傷つけてしまうことになるおそれも・・・。
いろんな場所で他人と自分を比べるようになってしまい、「自分らしさ」を出せなくなってしまう生徒もいます。
音楽の発表会やコンクールは個人の表現力や成長を認める場であり、本来は他者との競争ではありません。
ほかの生徒を褒めること自体は問題ありませんが、それを自分の生徒との比較材料として使うことは避けましょう。
ポジティブ変換しよう
この場合も、生徒自らが自分の演奏のよかった部分を認められるように伝えましょう。
「○○ちゃんの演奏、今日は特に◆◆の部分がすごくよかったね!」
他人との比較ではなく、生徒の演奏の良い部分に焦点を当て、生徒自身の成長や努力をたたえましょう!
もし生徒が
▲▲さんの演奏がすごかった
というように、ほかの生徒と比較するような発言をしたときは、その子の頑張りを認めつつ、
○○ちゃんは▲▲さんの演奏のどんなところがすごいと思ったの?
と、生徒自ら答えられるように促してみてはいかがでしょうか?
自分に足りない部分を自覚するきっかけになるよう、導いてあげられるといいですね!
ほかの演奏者から学べることもある!
「次こそは○○賞とろうね!」
コンクールや発表会において、成績・結果は重要視されがちです。
でも「次こそは○○賞とろうね!」という発言は、生徒にとって大きなプレッシャーになることも・・・
結果にこだわることで、生徒は次回のコンクールや発表会に対して不安を感じるようになり、演奏そのものを楽しむ余裕を見失ってしまうかもしれません。
他人が余計なプレッシャーをかけないように、気をつけたいですね。
ポジティブ変換しよう
音楽は本来、演奏することや聴くことを楽しむもの。
演奏する楽しさや表現するよろこびを、この先も感じていけるような言葉がけがおすすめです。
「次も楽しく演奏しようね!」
「○○ちゃんらしさが伝わる演奏を追及していこうね!」
生徒が音楽を楽しむ姿勢をキープできるよう、プレッシャーを感じさせない言葉を選びましょう。
音を楽しんでこそ音楽♪
\全152症例!わかりやすい魔法の言葉/
本番後の言葉がけは慎重に!
コンクールや発表会の本番後は、生徒にとって感情が高ぶっている瞬間。
嬉しさや悔しさから、会った瞬間おもわず泣いてしまう子もこれまで見てきました。
そのタイミングでの言葉がけは、生徒の今後の成長に大きく影響を与えることがあるため、慎重に準備しておきたいですね!
大切なのは、生徒の努力や成長を認め、次回に向けてのモチベーションを維持させること。
否定的な言葉や比較は避け、ポジティブで前向きになれるようなフィードバックをすることで、生徒が自信を持って音楽を続けられる環境を作っていきましょう!
自己肯定感を高めていこう!
\こちらも参考にしてみてね/
\本番前・生徒に伝えておこう/
この記事を書いた人
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はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
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