ピアノ曲にはさまざまな舞曲がありますね。
拍子やテンポの違い、発祥地、時代よって舞曲の名前も異なります。
今回は ピアノを習っている人なら1度は弾いたことがある(と思われる)「タランテラ」 という舞曲について取り上げたいと思います。
タランテラがどんな踊りかを知ったうえで演奏すれば、曲への理解や表現がさらに深まるはず!
タランテラってどんな踊り?タランテラの定義とは
ピアノを習っているといろいろな舞曲を弾く機会がありますね。そのなかでも「タランテラ」という舞曲は、メジャーなものに分類されると思います。
いろいろな作曲家がタランテラを作曲していますが、有名な作品ではブルグミュラー「25の練習曲」のなかのタランテラ、ギロック「こどものためのアルバム」のなかのタランテラが挙げられるのではないでしょうか。
今回はタランテラの意味や、タランテラ誕生までの流れをみていきましょう。
タランテラとは
タランテラは 8分の3拍子または8分の6拍子のテンポの速い舞曲のこと をいいます。
楽譜では3連符がたくさん使われていて、「♪ラッタ ラッタ 」「♪タカタ タカタ」というリズムが特徴的ですね。
発祥はイタリアのナポリ。イタリア語で「tarantella」と表記されます。
「lla」のあたりがイタリア語っぽいので(モッツァレラとか)イタリアを連想しやすいかと思います。
タランテラの由来
タランテラの由来には諸説あるそうです。
- タラントという街の名前からつけられた説
- 毒グモ(タランチュラ tarantula)に噛まれ、体内の毒を抜くために踊りつづけた舞曲だったからという説
- 毒グモに刺されたことで、苦しさから狂ったように踊り、やがて死んでしまった様子を表現したという説
タラントという街は南イタリアにあるキレイな港町です。
この街には毒グモの伝説があるそうで、タランチュラに噛まれると「タランティズム」という病気になるといわれていました。
毒が体に回って死に至らないために「タランテラを踊らなければいけない」という言い伝えがあったそうです。
実際に噛まれてタランティズムにかかってしまった人もいたそうですが、その毒は大したものではないのだとか・・・。
タランテラができるまで
タランテラができたのは中世といわれています。
タランティズムになってしまった患者がいたという記録は16世紀~17世紀にあるのだそう。
今でこそ、曲をきけば「これはタランテラだ!」という特徴がありますが、このスタイルになるまではいろいろなリズムのタランテラが作られていました。
実際にどんな踊りか見てみよう
タランテラは男女ペアまたは女性ペアで踊られることが多い踊りです。
テンポが速いのでついていくのが大変な踊りの1つですね。
実際にタランテラを踊っている動画を見てみましょう。
なんだかすごく疲れそうな踊り・・・と思ってしまうのは私だけでしょうか(笑)
タランテラというと短調の曲が多いイメージでしたが、いろいろな動画を見てみると長調の作品もあり、毒グモなんかイメージできないくらい陽気な踊りなんですね。
まとめ
タランテラの定義や由来をご紹介しました。
タランテラは中世から伝わる踊りで、バレエ音楽にも取り入れられています。
由来を知って演奏すると、曲の解釈や演奏の仕方も変わりますよ!
有名なタランテラを聴き比べてみませんか?