あなたは「ピアノを習っている子は頭が良くなる、賢く育つ」という話を聞いたことがありますか?
もしあなたの周りでピアノを習っている人がいるなら、その子は頭が良いですか?
この記事は
- ピアノを習うと頭が良くなるのか気になる人
- 頭が良くなる根拠や理由を知りたい人
- ピアノをこれから習おう・習わせようと考えている人
におすすめです!
今回はなぜこんなことがいわれるのか、実際に子どもたちをレッスンをしている立場からその根拠を探っていきます。
今からピアノを習い始めたら遅い?
ピアノを習うと頭が良くなるという噂とその出どころ
子どもの習い事にはいろいろありますが、そのなかでも女の子に人気の習い事の一つ挙げられるのがピアノ!
「ピアノを習うと頭がよくなるらしい」という話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
ピアノ歴と頭の良さは比例するのか
私が実際に 子どもたちにレッスンをしていて感じることは、
このようなことです。
現場でのレッスンを通して、私は個人的に【ピアノ歴と頭の良さは比例する】と思っているのですが、どうやらあまり関係ないようですね。
幼児期に数年間習うだけで効果がある説
なかには幼児期に数年ピアノを習っただけでも脳によい刺激を与えるという説もあるとのこと。
これは幼児期に神経・五感の発達が急速に進むことと関係しているようです。
\ 神経発達のグラフを見てみよう /
脳科学者の発言で注目を浴びる
脳科学者の澤口俊之先生(人間性脳科学研究所所長&武蔵野学院大学・大学院教授)は、次のように発言し注目を集めました。
「人生の成功に関係する全ての基礎がピアノで高められる」
「習い事はピアノだけで良い」
言い切っちゃってるのがスゴイ!
東大を含む難関大学生の4割以上が習っていた
ちなみに以前次のような記事があり、話題になりましたので引用してご紹介します。
電子ピアノを販売するカシオ計算機は、国内難関大学の20~30代在校生および卒業生の男女を対象に、「子どものころのピアノレッスンと学力」に関する意識・実態調査を行った。その結果、東京大・京都大・早稲田大と慶応大学に通う、もしくは通った1,188人のうち、43%がピアノを習ったことがあることが分かった。
“ピアノを習う子は頭が良くなる”は本当? ウワサを検証 実に43%がピアノ経験者! 東大、京大、早慶生は平均5.1歳スタート – カシオ計算機株式会社のプレスリリース (value-press.com)
この記事からも、ピアノと脳の関係には深いものがあるような感じがしますね!
また東大生に限定すると、半数がピアノ経験者というデータもあります。
2016年に拙著『習い事狂騒曲 正解のない時代の「習活」の心得』執筆のため、東大家庭教師友の会の協力を得て、東大生100人を対象にアンケート調査を行ったところ、やはり47人がピアノを習った経験をもっていた。ヴァイオリンやエレクトーンなどその他の楽器演奏を含めると63人にもなる。
なぜ東大合格生の2人に1人は「ピアノレッスン」経験者なのか 3つの理由を分析(全文) | デイリー新潮 (dailyshincho.jp)
楽器経験者は6割!!
ピアノを習うと賢くなる根拠&理由
脳科学者の発言や東大生とピアノの関係からも、
ピアノと脳は大きく関わっているのは?
と考えることができます。
ここからは、ピアノを習うと頭が良くなる理由や根拠をいくつかご紹介します。
聴覚が育つ
幼少期にピアノを習うことで、 聴覚を伸ばすことができます。
この時期にたくさんの音楽に触れることで、音感がつき音に対して敏感になるのです。
人の話を聞く力も同時に備わっていき、将来的には英語のリスニング能力も高まっていくでしょう。
騒音のなかでも、集中すれば聴きとりたい部分だけを聴き取ることができるのも、聴覚が育っているからこそです。
\ 聴覚を育てるには? /
地獄耳っていわれることも!
集中力が高まる
ピアノを習うことで、 物事に集中して取り組めるようになります。
ピアノを弾いているときは
「この部分は強弱に気をつけよう」
「同じ速さで弾こう」
「和音をそろえて弾こう」
など、集中しないとできないことがたくさんありますよね!
また発表会やコンクールといったステージを経験することも、集中力アップにつながります。
ステージでの演奏は一度きり。
うまくいかないこともありますが、その一回の演奏で、それまで習ってきたことをすべて出さなければいけません。
一回の演奏にかける集中力はとても高いです!
ピアノを通して育んだ集中力は、受験勉強や試験本番などでも活かされます。
\ コンクールを通して成長できる /
能力フル活用で脳を刺激する
ピアノを弾くということは、人間が持っている能力や感覚をいくつか同時に使うことになります。
- 音を聴き取る聴覚
- 楽譜を見る視覚
- 音を記憶する知覚
- 指を含めた身体を動かす運動能力
- 音のバランスや強弱などを考える前頭前野領域の能力
このように、ピアノを弾くことによって同時にいろいろな能力をフル活用しているのです。
小さいころからこのように常に脳に刺激を与えることは、脳の発達を促すことにもつながります。
バランスよく脳を刺激できる!
手先が器用になる
ピアノが得意な子は、手先指先が器用な子が多いように思います。
ピアノをある程度続けていると、指を細かく動かさないと弾けない曲が増えてきますね。
器用さは個人差もあるかもしれませんが、テクニックの練習を通して器用さを身につけることも可能です。
手先が器用だと音楽以外にも興味が出てきて、
- 料理
- 縫物や編み物
- ビーズ小物制作
ということも楽しめるでしょう。
認知症予防効果もある
前述のように手先・指先を動かすことは脳に刺激を与えるので、ボケ防止にもいいといわれています。
アメリカの研究では、幼少期にピアノを継続的に習った人と、そうでない人とでは、後年の脳に大きな違いがあることが分かりました。
幼少期にピアノを習っていた人は、そうでない人に比べて、認知機能を保持している確率が高かったのです。
【ピアノが子供の脳に良い理由とは】ピアノが脳に与える影響について解説 | こども音楽ニュース (eys-kids.com)
継続して脳に刺激を与え続けることは認知症予防に効果があるということなので、将来本当にボケないかのかどうか楽しみにしたいと思います!
運動神経も良い
音楽と運動は相反することのように思ってしまいますが、ピアノを習っている子のなかには運動神経がすばらしい子も多いのです。
「音楽はインドアなのに、なぜ?」
と思いますよね。
そこにも 脳の発達が関係しているようです。
ピアノを幼少期に習うことで、右脳と左脳をつないでいる部分が大きくなるということがカナダの大学の研究で明らかになっています。
このような人は情報伝達能力が高いので、初めての運動(ボールを投げる、ダンスをするなど)も比較的少ない練習時間でマスターできるのだそう。
走ることに関しても、一定のリズム、同じ速度で走ることが重要なので音楽経験が活かされてくるでしょう。
またピアノは両手とペダルを使ってさまざまなことを表現します。
右手・左手・右足・ときには左足、すべて役割が違うのでバラバラな動きをしないといけません。
実際、生徒のなかには
走るの遅いし運動は苦手!
という子も多いのですが、走る分野や筋肉を使う分野は苦手でも、身体をバラバラに動かす能力は高いのです。
苦手意識があるだけかも?
算数・数学が得意になる
ピアノが得意で楽譜を正確に読める子、楽譜をきちんと書ける子は、算数や数学も理解するのが早い傾向にあります。
私は楽譜は算数・数学のようなものだと思っていて・・・
4分の4拍子の場合、1小節を
- 2等分するのが2分音符
- 4等分するのが4分音符
- 8等分するのが8分音符
- 16等分するのが16分音符
・・・といったように数学的要素が盛り込まれているのです。
これらのリズムをきちんと理解して楽譜に書くことができるのであれば、数学も得意なはず。
ピアノを習い続けて楽典や和声、対位法などを習うようになれば、さらに数学的理解が必要になってきます。
\ バッハの音楽は数学的!/
想像力・創造力が豊かになる
音楽は情操教育なので、子どもの心が豊かになります。
そして、いろんな曲を聴いたり弾いたりすることで、
- この曲はなにを表わしているんだろう?
- この和音はどんなことを表現しているのだろう?
- この曲のクライマックスはどこだろう?
- 作曲者はどんなことを伝えたかったのだろう?
というイマジネーションが高まるでしょう。
ピアノを習うことで物事をイメージする力がつくのはもちろんですが、さらに自分で曲を作ってしまうところまでいく子どももいます。
人間性知能(HQ)・非認知能力が高まる
前述の創造力だけでなく、社会性を育むことができるのも魅力です。
人間らしく生きていく力=人間性知能(HQ:Human Quotient)・非認知能力
人間性知能が高い人は、目標や目的に向かって社会のなかでどのように行動すればいいのかを判断することが得意です。
- 協調性・コミュニケーション
- 企画力
- 行動力・リーダーシップ
- 思いやり
- 我慢強さ
このようなことが自然と行動に現れるようになるため、来たるべき受験や就職試験などにも活かされてきます。
確かに私の生徒でも「人の前に立ちたい」とリーダーシップのある子が多く、生徒会や委員会、ボランティア活動などに積極的です。
これから必要なのはHQともいわれているよ!
\ 現場目線が心に響く!/
\ 楽器の選び方&先生の選び方も/
習い事はやっぱりピアノがおすすめ!
「子どもがピアノを習うと頭がよくなる」といわれる根拠を探ってきましたが、参考になりましたか?
これからの社会を人間らしく生き抜いていくために必要なHQという能力を高めるのに、ピアノが効果的なことがわかりましたね!
ピアノを習うなら、 断然早い時期(幼児期)から習わせた方が飲み込みも早いですし、さまざまな能力・感覚も育ちます。
レッスン代は子どもの将来への投資と思ってみませんか?
先行投資しよう!
\ 始めるなら幼児期から!/
この記事を書いた人
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はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
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