ピアノを習っていると「ハノン」という言葉をよく聞きますね。実際は人の名前なのですが、指のトレーニングをする教本自体を指す場合が多いです。
今回はハノンさんと、ハノンさんが作曲した教本について説明していきます。
HANONについて
現在ではすっかり教本の名前のようになってしまっているハノン。本当は作曲家の名前なんです。
実際にピアノを習っている生徒でも、教本自体の名前が「ハノン」だと思っている子が多いです。 先生は教本を渡すときに、作曲家の名前であることを忘れずに伝えましょう。
作曲家:Hanon,C.L.
ハノンはフランスの作曲家です。作曲家であるほかに、ピアノやオルガンも教えたり教会で演奏家として活躍していました。
Charles-Louis Hanon が正式な名前で、「シャルル ルイ アノン」と発音します。でも日本では「アノン」とは呼ばずに「ハノン」と呼ぶ傾向にありますね。
フランスでは「アノン」と呼びますが、ドイツやイギリスでは「H」も発音するので「ハノン」として日本で浸透しているそうです。
1819年に生まれ1900年に亡くなりました。
その間に次のような作品を作曲しています。
- 60の練習曲によるヴィルトゥオーゾ・ピアニスト(これが一般的にハノンと呼ばれているもの)
- 大作曲家の名曲より要約
- 初歩のピアノ教本
- 50の歌曲集
有名な「60の練習曲によるヴィルトゥオーゾ・ピアニスト」以外にも「初歩のピアノ教本」という別の教本があるんです。
ハノン本人は「60の練習曲によるヴィルトゥオーゾ・ピアニスト」で指を鍛え、表現力を磨くためには「大作曲家の名曲より要約」を用いて美しいメロディーに触れてほしい・・・としています。
そして驚いたのが歌曲も作曲していたこと。ピアノだけじゃなかったんですね。
60の練習曲によるヴィルトゥオーゾ・ピアニスト
昨今では「ハノン」というと、この「60の練習曲によるヴィルトゥオーゾ・ピアニスト」を指すことがほとんどです。
「ヴィルトゥオーゾ」とはイタリア語で「達人」「名手」という意味なので「ピアノの達人を目指すための60の練習曲」といったところでしょうか。
この教本の構成は3部から成っています。
- 第一部(1~20番)
- 第二部(21~43番)
- 第三部(44~60番)
第一部では、5本の指の独立を目指すために様々な音型を練習していきます。
第二部では、第一部の音型をさらに発展させたものと、スケールとカデンツ、半音階、アルペジオなどを練習します。
第三部では、「最高のテクニックを身につけるための練習」となっていて、同音連打やトリル、分散スケールや分散アルペジオ、トレモロなどのより高度な技術の習得を行います。
ハノン本人は「この全巻は1時間あれば弾けます」と言葉を記しています。 しかし60個の練習曲を1時間で行うのは、不可能です。
youtubeやニコニコ動画などでハノンを弾いてみたという動画がありますが、全曲足しても2時間はかかるようですね・・・。
ハノン本人は実際に全曲をどのくらいの速さで弾いていたのでしょうか?気になるところですね。
まとめ
ハノンについて、理解できましたか?ちょっと前までは指のトレーニングを行う上での必須教本とも言われていたハノンピアノ教本は、ハノンさんが作曲した60個の練習曲です。
ハノン本人が言葉を残しているように、この教本だけ練習していてもピアノはうまくなりません。表現力を磨くためには、別の曲集を併用するのが効果的です。
ハノンピアノ教本を練習するとどんなメリットがあるのかはこちらの記事を参考にしてください。
⇒ ハノンの効果は?練習することに意味はあるの?
この記事を書いた人
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はじめまして、nabecco(なべっこ)です。
のんびり田舎ぐらしをしながら、自宅でピアノ&エレクトーン講師をしています。
生徒時代は練習嫌い・劣等生だった経験を活かし、そんな人でも楽しく音楽を学べるような記事作りを心がけています。
主婦目線での子育て情報も。
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